「……間に合わない気がする」
「言う前に回る。ほら、さっさと行くわよ」
そう言って、オオガミを引きずっていくエウリュアレ。
「なんか、エウリュアレの方がやる気がある気がするんだけど」
「バカ言わないで。周回してるのは貴方で、私は引きずり回してるだけよ」
「……まぁ、そう言うことにしておくね」
「えぇ、そう言うことにしておきなさい」
そう言う二人の後ろから這い寄る影。
「そんな気張らずいこうじゃないかマスター。素材さえ集まればあとは石を集めるだけなんだろう? なら早く終わらせて食堂で飯でも食おうじゃないか!」
「元気だね船長。いや、言ってることは分かるんだけどさ」
「いや、僕はもう終わりでいいと思うけどね。最近王の話をした記憶がほとんど無いよ!」
「そりゃ、スキルしか使ってないしね。マーリン」
「俺もそうだが……明らかにスキル数が多いだろ」
「孔明先生。めっちゃ怖いです」
「早めに終わらせましょうマスター。姉様もお怒りのようなので」
「黙りなさいメドゥーサ。貴女がすぐに終わらせればいいのよ。ほら、もう一周」
既にボロボロの周回メンバー。ドレイク船長だけが機嫌がいいのが救いだろうか。
「ん~……マーリンと孔明はフリクエ周回でも来て貰うからなぁ……」
「うん、分かっていたとも!」
「だろうな。はぁ……仕方ない。やれるだけやるとしよう」
「それじゃ、行くぞー!」
そう言って、突撃していくオオガミ達。
* * *
「暇じゃのう……」
「暇なら監視カメラ見てましょうよ。センパイ達が頑張ってるのを見てるの楽しいですよ?」
「えぇ~……儂、見てるより戦いたいんじゃけどぉ……」
「むぅ……そうですか。じゃあ私は一人で見てますね~」
工房でぐったりとしているノッブと、モニターを前に楽しそうなBB。
「……ゲームでもするか」
「あ。対戦ゲームなら参戦しますよ!」
「ん~……今日は戦場仕様でストック2でどうじゃ?」
「えぇ~? 終点じゃないんですか?」
「儂、正直ギミックありでもいいんじゃけど」
「あ、それにしましょう。ギミックとか久し振りに見てみたいです。戦場とか終点とか、正直ギミックが無さすぎてBBちゃん的には面白くないです。やっぱりトラップありきですよねぇ」
「手のひらの返し方エグいな……いや、全然いいんじゃけどね」
そう言って、ゲームの準備を進めるノッブとBB。
そうして遊び始める二人のもとへ、だんだんと人が集まっていき、リアル大乱闘を始めるためにシミュレーションルームに向かうのはいつものことだった。
まだ硯と筆が残ってるんですが。終わる気がしない……