「ふふ……ふふふふふ……!!」
「嬉しそうですね、姉様」
食堂の片隅で、頬が緩んで笑みを浮かべるエウリュアレに、アナが声をかける。
すると、エウリュアレは勢いよく振り向き、
「ッ、アナ、何時からいたの?」
「今来たところです。マスターへは渡せたのですか?」
「まぁね。貴女も渡せたのでしょう?」
「はい。それと……これは私からエウリュアレ姉様へ。ステンノ姉様はまだ見つかりませんので……」
「あぁ、そうだったわ。すっかり逃げるのを忘れてた。恐るべし、マスターね。なんか他にも色々貰っているようだし、帰ってきたらたっぷりとイジめてあげようかしら」
そう言ってクスリと笑うエウリュアレに、アナは微笑むと、
「それじゃあ姉様。私はこれで失礼させていただきます。今日中にステンノ姉様を見つけないとですので」
「えぇ、頑張りなさいよ~」
そう言って、去って行くアナに手を振る。
「……さて、それじゃあ、監視カメラの確認を再開しようかしら」
そう言って、エウリュアレはBBから貰って来たノートパソコンを取り出し、準備を始める。
「全く……近代英霊どころか、神代の神霊に対して要求することじゃないと思うのだけど。こういうのは、刑部姫とか、始皇帝とか、そういうのが得意なサーヴァントに押し付けるべきだと思うの」
「いやいや。だって、エウリュアレさんに渡したら、センパイの事を確実に探してくれるじゃないですか。しかも、妙にピンポイントで」
「……来てるなら、お菓子の一つでも差し入れるべきだと思うわ」
いつの間にか後ろに来て画面をのぞき込んでいるBB。
エウリュアレはため息を吐きつつ、
「で、何しに来たのよ」
「センパイは今どこにいるかなぁって思いまして。というか、てっきり気付いてたのかと思いましたよ」
「最近は戦闘してないもの。連れまわされてもないし、マスターを追い回してもないし」
「一昨日くらいに追いかけていたって聞きましたけど?」
「それはそれよ。というか、どこからそんな噂が出てるのよ」
「いえ、昨日ロビンさんが倒れてたからちょっと聞いてみたらそんなことを言っていたので」
「ふぅん……あの緑、もう少し話した方が良かったかしらね」
「ちょっと! ロビンさんは私のおもちゃなので、エウリュアレさんはメドゥーサさんで我慢してくださーい!」
「あら、そうだったの? じゃあ、そっちは良いわ。それで、マスターの居場所だっけ? 今は……適当に廊下歩いてるわよ。用があるなら行ったらいいけど、あんまりふざけすぎるなら、撃ち落すわ」
「嫌ですねぇ……そんなに脅されなくても、別に何もしませんよ? もう私も渡しましたし。今年はBADENDを選ばなかったので不満なんですけどね。来年に期待です☆」
「……そう。まぁ、楽しそうでよかったわ。じゃあ、また後でね」
「は~い。ではでは~」
そう言って去って行くBBに、エウリュアレは雑に手を振るのだった。
真っ先に渡したのは安定のエウリュアレ。というか、ゴルゴーン三姉妹に渡して、アビーに渡してから後はランダムで。女性陣ラスト変態尼さんだったのは笑ってください……