今日のカルデア   作:大神 龍

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変態紳士は殲滅だよ(教育に悪そうな奴は残さず消し飛ばすわ)

「ん~……とりあえず、変態紳士は殴り倒していくに限るけど、リンゴを使わないと案外時間がかかりそうだな……」

「そりゃかかるわよ……むしろ、なんでかからないと思ったのかが知りたいわ」

「それはそうなのだけど、あの、マスター。どうして私は肩車をされてるの……?」

 

 アビゲイルを肩に乗せながら真面目な顔で話すオオガミ。隣にいるエウリュアレも気にしていないので、尚更アビゲイルは首をかしげる。

 それに対して、エウリュアレは、

 

「それは簡単よ。だって、マスターが空元気の時に近付いたんだもの。そんな状態のマスターに近付いた時点で、肩車されるのは自然なことよ」

「えっ、初耳なんだけど!?」

「なんでマスターが驚いているの!?」

 

 エウリュアレの説明に、誰よりも驚いているオオガミ。

 むしろアビゲイルはオオガミが驚いていることに驚いていた。

 

「まぁ、無自覚なことに定評があるマスターだもの。というか、ほとんど何も考えてないときの方が多いわ」

「そ、そうなの……でも、やる時はちゃんとやるもの。マスターのそう言うところがいいと思うの」

「むしろやるとき以外は残念なのだけど。貴女も思い当たるところはあるでしょ?」

「ねぇ待って二人とも。本人を置いて話を進めないで……」

 

 何やら変な方向に流れ始めた会話に、思わず声をあげるオオガミ。

 すると、エウリュアレは心の底から不思議そうな顔で、

 

「……むしろ、この話は本人が聞いてちゃ行けないと思うの」

「じゃあなんで目の前で話すんだよ!?」

 

 正論過ぎる突っ込み。

 しかし、エウリュアレは少し考えると、

 

「つまり、今から貴方を追い出せばいいってこと?」

「あ、そう言う方向に持っていくんですね!?」

 

 つまりは、いる方が悪いので、排除する。ということだろう。中々狂気的で、オオガミも思わず頬を引きつらせる。

 

「という訳で、アビー。やってしまいなさい」

「アイアイマム!」

 

 アビゲイルはそう言って、器用にオオガミの肩から飛び降りると、即座に門を使ってオオガミを落とすのだった。

 エウリュアレはそれを笑顔で見送り、数秒してから一瞬で真顔になると、

 

「……記憶を消すために殴っておくのを忘れたわ」

「あっ……ど、どうしましょう……今から追いかけて殴っておこうかしら……」

 

 どうやら、冷静を装っているものの、内心は恥ずかしさで真っ赤になっているようだ。

 しかし、エウリュアレはため息を吐くと、

 

「まぁ、やっちゃったものはしょうがないわ……今から行っても手遅れだろうし、そのうち忘れるでしょ」

「そ、そうね……でも、意外と驚いたわ。エウリュアレさんでも、あんなに動揺するのね」

「……別に、そんなことはないわ」

「……ふふっ。えぇ、そう言うことにしておくわね」

 

 不機嫌そうな雰囲気になったエウリュアレに、アビゲイルはにこにこと笑いながらついていくのだった。




 普段何気なく言っていることも、ふと自覚すると何言ってるんだってなるときありますよね……

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