「じゃ、よろしくね。マスター?」
「うん。よろしく」
「あー!? なんでクロまでいるのー!?」
オオガミに挨拶するクロエを見て、声をあげるイリヤ。
そして、その影からこちらを見たエウリュアレが、
「あぁ、もう決着着いたの? 案外あっさりね」
「そんなこと言いますけど、エウリュアレさん遊んでただけでしょうが」
「そりゃ、貴方が前線に出してくれなかったし。むしろ大人しくしていたのを褒めてほしいわ」
「はいはい。偉い偉い。ところで、他のメンバーは?」
「護法少女はあそこで星見酒、バラキーはアビーに捕まって今あそこで強制睡眠させられてるわ。アナは……さっき突然現れたナーサリーに拉致られたわ」
「いや初耳な上に大問題なんですけど!?」
さっきと言っても、いつの事なのかわからないので、困惑するオオガミ。それに対してエウリュアレは、
「まぁ、私しか見てなかったし、仕方ないと思うわ。大方、BB辺りが原因だろうから、帰ったら言っておくわ。『借りるなら一言言っていけ』ってね」
「それだと借りてもいい感じしません……?」
「あら、だって、それなら貴方に報告するだけでいいじゃない」
「くっ……さりげなく他人に罪を擦り付けようとしてる……!」
そんなことを言いつつも、結局オオガミため息を吐いたあと、
「まぁ、後の祭りだし、仕方ないか。やられたんじゃなく連れ帰られたなら、戻ったらすぐ会えるだろうし、犯人もすぐわかるでしょ」
「……貴方のそう言うところ、どうかと思うのだけど」
そんなやり取りをする。
そして、そんな状況を見ていた二人の魔法少女は――――
「ね、ねぇクロ……もしかしてあの二人って、も、もしかするのかなぁ……?」
「そんなに気になるなら聞いてきなさいよ……私は嫌だからね?」
「そ、そんなぁ……クロは気にならないの? だって、あんなにいい雰囲気だよ……? お邪魔していいのかな……?」
「別に気にする必要もないでしょ。だって、ほら、見てみなさいよ」
そういって、オオガミ達の間に割って入るように突撃するアビゲイルを指差すクロエ。
それを見て、イリヤは頬を引きつらせ、
「あ、あの人は例外だと思うの……あれは、そう。他の人と違う感じだよ。うん」
「な、なんでそんな怯えてるのよ……一体何があったわけ?」
「ちょ、ちょっと言えない……でも、本当に怖かったんだからっ!」
「分かった、分かったわよ……後でマスターにでも聞いておくわ」
「う、うん……そうして? 私はあんまり思い出したくないから……」
「……イリヤにここまで言わせるなんて、何をしたのよ……」
考えるクロエに、しかしイリヤは答えられないのだった。
とりあえず、前半戦は終了ですかね……? 後はクエスト消化しないと……