「しっかし、未だに終わらないねぇ……やっぱり、おにぎり食べないとかなぁ……」
「むしろ、どうしてここまで食べてないのかが気になるんですが」
「ただのおにぎりが26セット。金色のおにぎりが8セットもあるわよ…?」
「どうする? 食べるのか?」
「あの金色のおにぎり……本当に食べられるんですか……?」
「マシュの握った金色カレー味だぞ! 食えないわけないだろ! というか、食べたから!」
「た、食べたんですか……?」
おにぎりを前に声を上げるオオガミ。パッションリップが驚くが、それ以前に、どうやって金色にしたのかが気になった。
ちなみに、一人一個で一セットである。
「
「ん~……良いか。じゃあ、食べようか」
「じゃあ、余はこれだな! いただきます!!」
「じゃあ、私はこれをもらうわ。ここ最近お菓子が食べられてないから不満だけども」
「私はこれで。でも、私が握ってないのもあるんですが、誰が作ったんでしょう?」
「一気に不安になったんですけど、本当に大丈夫なんですか? このおにぎり。あと、すいません。誰か取ってください……私だと手が大きくて取れないです」
「グオォォォォォォォォォ!!!!」
「ヘラクレス、叫ばない。っと、じゃあ、これでいいかな。はい」
「ありがとうございます、マスター」
「どういたしまして。まぁ、自分で食べられないだろうから食べさせてあげるからちょっと待ってて」
パッションリップの隣に立っておにぎりを口元に運びながら、自分の分のおにぎりを食べるオオガミ。
それを見て、ヘラクレス以外の他のサーヴァントからの視線が若干鋭くなった気がした。
「マスター。私が代わってあげても良いわよ? パッションリップとはあんまり話さないから、こういう機会に話すのもいいかなって思ったのだけれど」
「エウリュアレはパッションリップみたいな性格の人を見ると、遊ぼうとするでしょ。さすがにそんなことをしようとする人に任せられないでしょ」
「…………中々ひどい言われようね。私、そこまでひどいかしら……」
「自覚が無いならなおさらダメだと思うんだけど?」
「貴方……私が何言われてもあまり反応しないからって何言っても良いと思わないでよ? 普通に傷つくんだからね?」
「それなりに真面目に応対してるつもりなんだけど……」
「それでこの対応……私が何したっていうのよ……」
「そりゃ、無理やりお菓子を食べさせてくるような人に言われましても……」
「そこか……!!」
そこまで言われて思い至ったのか、悩まし気に頭を抱えるエウリュアレ。
「先輩。私も食べさせてもらっていいですか?」
「マシュも? 別にいいけど……どうしたのさ」
「この前は先輩に食べさせてあげたので、今度は食べさせてもらいたいなぁって思いまして」
「な、なるほど……えっと、次の時でいいかな…?」
「むぅ……仕方ないです。今回はパッションリップさんに譲ります……約束ですからね?」
「りょ、了解」
約束してしまった……と後悔するが、マシュの嬉しそうな顔を見て、まぁ良いかと思うオオガミ。
「奏者よ。余にはいつ食べさせてくれるのだ?」
「ネロ……お前もか……」
「なぜだ! そこは、動揺するところであろう!? なぜ落胆の声なのだ!?」
「いや、あの流れだったらなんとなく予想が付くというか……惜しい。すでに乗り遅れてた」
「くぅっ……! 一手遅かったということか……!」
「そういうこと。まぁ、マシュの後でなら出来るよ」
「本当か……!? なら、その時に頼むぞ!」
「はいはい。じゃあ、次の戦いも頑張ってよ?」
「うむ! 任せるがよい!!」
そう言うと、ネロは嬉しそうに食べるのだった。
なんか、ハーレム系の雰囲気が若干漂ってたぞ……?これはダメですね。次回でギャグ回をして帳尻を合わせねば……ハーレム要素は無かったことにせねばならぬのです……(話は消さない)