「……残り三日かぁ」
「ん。宴か。大晦日に向けての宴の準備か?」
「宴!? なら、茶々叔母上の敦盛見た~い!」
「死亡フラグ立つからダメじゃ」
「えぇ~……ちぇ。仕方ないからBBに愚痴ってこよ~っと」
「今行くのはおすすめしないんじゃけど……」
「……誰も宴をするって言ってないと思うんだけど……」
文句を言いながらBBの工房へと向かった茶々を不安げに見守るノッブと、そもそも人の話を聞く気無いなコイツら。と悟るオオガミ。
そして、オオガミの背中に寄りかかっていたエウリュアレは、
「パーティー、しないの?」
「え、エウリュアレまで……いや、いいけどさ……」
「なんじゃよ……儂が言っても微妙そうな顔しとったのに、エウリュアレが言うと一発か」
「別にエウリュアレが言ったからって意味じゃなくてさ。クリスマスにパーティーして、一週間ちょっとでもう一回やるの? って思って。準備する?」
「ん~……そうじゃのぅ。そういや、アビーがチビノブ持っておったよな。借りてくるか」
「手伝わせるの?」
「まぁ、頑張れば手伝ってくれるじゃろ。そうと決まったらすぐ行動じゃな。レッツゴー!」
そう言って、工房を出てアビゲイルの部屋へと向かうノッブ。
「……行っちゃったわよ?」
「行っちゃったねぇ……え、なに、なんかあった?」
「いえ、BBにも言っておいた方が良いんじゃないの?」
「あ~……確かに。だけど、さっき茶々がBBの工房に行くときに、ノッブがおすすめしないって言ってたんだけど、どういう意味だと思う?」
「それは……そうね、覗いてみた方がいいんじゃないかしら」
「えぇ~……いや、良いけどさぁ……」
そう言ってオオガミが立ち上がると、寄りかかっていたエウリュアレは支えを失って倒れる。
「……だから言ったのに」
「……分かってたなら言いなさいよ」
エウリュアレに睨まれたオオガミは、ため息を吐きながらエウリュアレに手を伸ばす。
エウリュアレはその手を取り、起こしてもらうと、近くの椅子まで歩いていって、座る。
「全く……行ってきていいわよ」
「はいはい。行ってきますよ」
そう言ってオオガミはBBの工房への扉を開き、
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!! やめてぇぇぇ!!」
「ふふふ……新作BBスロットの試運転を受けてくださいっ!」
「ちょ、あ、ま、マスター! 助け」
パタン。と扉を閉じて見なかったことにするオオガミ。
しかし、防音性がかなり高いんだな。と改めて認識したオオガミは、その防音性に感謝しつつ、そそくさと扉から離れる。
「あら、どうしたの?」
「いや、BBへは後で良いかなって。うん。後で良いかな」
「そ、そう……早めにしておきなさいよ」
オオガミは椅子をとってきてエウリュアレの隣へ行き、座り込んで脱力するのだった。
そういえば……今日、コミケ初日だったんですね……いえ、今年は行かないから良いんですけどね。
平成最後なのに……っ!