「タッグマッチ、終わったらしいわよ?」
「なるほど。じゃからあやつらが連れていかれたのか。これからひたすらにボックス集めじゃなぁ……」
遠い目をしつつ、今日のお菓子であるカステラを食べるノッブ。
「まぁ、今回は連れ回されなくて良かったわ。絆上限上げたから連れ回し、なんてことにならなくて」
「ふぅん……それにしては不服そうじゃな?」
「まぁね。新しい特異点よ? しかも、行ったことの無いメキシコ。一体どんな食べ物があるのか気になるじゃない」
「食べ物関連かぁ……全く。お主は気付いたらモグモグキャラになりおって……」
「私だっていつの間にかこんなことになってるんだからビックリよ。一体誰のせいかしらね」
「そうじゃなぁ……とりあえず、そのカステラを食べる手を止めたらどうじゃ?」
ノッブがそう言うと、エウリュアレはとても不服そうな表情で、
「それはそれ、これはこれよ。食べたいものは食べたいの。食べたいなら食べるべきだと思うの。つまり、食べるべきよ」
「とんでもない理論じゃな……まぁ、神様っぽいけども。というか、それで太らんからなぁ……少しくらい痛い目にあっても良いと思うんじゃよ」
「嫌よ。このスキルはお菓子を食べるためにあるの。食べたいときに食べられるだけ食べるためにね」
「絶対違うからな? 流石にその為だけのスキルとか無いからな? あの夢魔じゃ無いんじゃぞ。趣味のために気合いで手に入れるとか、んな無茶苦茶は許されんって」
「いいえ、私は最初からあったわけで、なんの問題もないわ。つまり、私の霊基は、好きなときに好きなだけ食べて、好きなときに好きなだけ寝るのを許された体ってことよ」
「それはない」
ドヤ顔で語るエウリュアレをバッサリ切り捨てるノッブ。
すると、今まで静かだったバラキーが、
「この前、深夜まで遊んでてエレシュキガルに叱られてたし、一昨日だって、深夜に盗み食いをしてるところをエレシュキガルに見つかって部屋に放り込まれていた気がするのだが」
「そ、それは私のせいじゃないし……というか、なんで見回りしてるのよ。ランサーの防衛力おかしくないかしら。なんでピンポイントで狙ってくるのよ。おかしいじゃない。気付いたら後ろにいて、鐘の音と共に吹っ飛ばされるのよ? とんでもなく怖いのだけど」
「まぁ、儂らはランサーと相性悪いしのぅ……ま、是非もないよね!」
諦めるノッブに対して、エウリュアレとバラキーは複雑そうな顔をするのだった。
エレシュキガルは新生風紀委員委員長になれる可能性を内包しているのです……