レッツゴーサンバ!!(サンバじゃなくてルチャじゃない!!)
「サンバ要素は!?」
「ハ~イ! 私がいますよ~?」
「それしかないんだけど!?」
突っ込み役が板についてきたように思えるマルタ。
ルチャのお姉さんことケツァルマスクは、準備運動をしていた。
「はぁ……それで、手合わせをするの? 言っておきますが、神様を相手に戦うだなんて出来ないのですけど」
「私はサンタで、今はただのルチャドーラ。だから、全然気にしないでください」
「そうは言いますけど……はぁ、仕方ないです。ただ、ルールはあまり知らないので、そこはご了承ください」
「ハイ! では、準備が出来たらお願いますね」
そう言ってリングへと上がるケツァルマスクと、軽く準備運動をしてから着ていたジャージを脱いで動きやすい水着の姿になってリングへと上がるマルタ。
それを見ていたアナスタシアは一人だけ用意していた椅子に座り、
「私もやってみようかしら」
「打たれ弱い身体でやるのはあまりオススメしないがな」
いつの間にか隣に立っていたエルバサに驚くアナスタシアだったが、彼女は気にせず話を続ける。
「まぁ、肉体はそれ以上変化しないとしても、体の動かし方くらいは学べるだろう。練習してみるか?」
「えっと……そうね。お願いするわ」
少し考えてからお願いするアナスタシア。
エルバサはそれを聞いて、最初から用意していたらしいパンチングミットを取り出すと、
「マルタをしばらく観察して、その後に軽くやるとする。とはいえ、初めてだからな。少しだけだ」
「えぇ、分かったわ。服装は……このままでいいかしら」
「あぁ、あの普段着は動きにくいからな。その服のままだ」
「そう。じゃあ、頑張るわ」
そう言って、視線をリングへと戻すアナスタシア。
エルバサもそちらへ視線を向けるが、じっとしているアナスタシアとは違い、軽く動きながら見ていた。
「……なんつーか、居心地悪いっていうか、場違い感凄くないかい?」
「そう言われても、絵を描いていてとしか言えないんだよね……別に、あっちの二人みたいに、練習したくも無いでしょ?」
「まぁ、そりゃそうさ。絵を描いてる方が楽しいし、さーばんとになってからは疲れ知らずだしなぁ。あぁ、いや、疲れ知らずは言い過ぎか。まぁ、かなりマシにはなってるよ」
「それならいいんだけどさ。まぁ、何かやりたい事が出来たら言ってね。出来る範囲でするから」
「応。その時は頼むぜ、ますたぁ?」
そう言って、絵を描き始める北斎から離れてアナスタシアの方へと向かっていくオオガミだった。
明らかにサンバ要素要らなかったのでは……? 明らかにネタだけだよね……?
あ、目標は200箱です。果たして出来るのか……