普通に、イベント礼装無しで勝てはしない(マジヤバいんですけど)
「無理!! 鬼なかしとか、無理!!」
「倒せるような敵じゃないですね。まだ装備が足りないです」
「イベント礼装皆無で戦おうとか、無謀極まりないよ」
「そうよ。せめて一人一枚は流離譚を取ってきなさいよ」
「待って。それは瓢箪か
衝撃のHPを前に、200%アップの理由を改めて理解したオオガミ。
マシュは苦い表情で言うが、その隣でやれやれ。と言ったような表情をするエルキドゥとエリザベート。
「はぁ……全く。なんで私はこんなところにいるのかしらねぇ……」
「儂も、全然活躍できないんじゃが……」
「明らかに攻撃力が足りてないのよ……」
「出たら即座に死ぬような戦いとか、地獄なんじゃが」
「出たら敵が宝具チャージ終えてるとか、どうしろっていうのよ」
遠い目をしながら、エウリュアレとノッブは呟く。
「余なんか……余なんか、もうパーティーから出されたぞ……」
「貴方はコスト高い上に相手がアーチャーだからでしょ」
「うぅ……確かにそうだが……それでも、編成から抜かれたのは心に響くのだ……」
「分かる。その気持ち分かるぞ、ネロ。儂も放置されておったからな……明日にはまた出番が来るじゃろ」
「明日になったからって、余が使われるとは限らないではないか。というか、明日も同じ的だっと思うのだが……」
「……そういえば、確かにそうだ。い、いや、二日目あたりからアーチャーではなくなるはずじゃ。知らんけども!」
「な、慰めるか放っておくか、どっちかにしないか!! 余は、余は結構辛いのだからな!?」
涙目のネロを慰めるノッブ。エウリュアレはもはや無表情で敵を射っていく。
「先輩。茨木さんもいなくなりましたから、とりあえず金時さんの言っていたご飯屋さんを探しましょう。みなさん、疲れていらっしゃるみたいですし」
「そ、そうだね……編成変更が原因かなぁ……」
「彼女たちはいつもあんな感じだよ。僕の見ている限りはね。それで、探しに行くのなら、あそこにいるのも連れて来るよ?」
「いや、行くには行くけど、さすがに自分で呼びに行くよ」
「そうね。マスターが行くのが一番よ」
「そうですね。では、私たちは先に安全を確認してきますね」
そう言うと、マシュ達は行ってしまう。
一人残されたオオガミは、そのままネロたちの元へと向かっていく。
「ネロ。今から京の町を見て回ろうと思うんだけどさ、一緒に行かない?」
「んっ……
「それはほら、ネロがやられるのは問題だし」
「なぜだ! エウリュアレはほぼ毎回出ておるではないか!」
「ん~……エウリュアレはコストとしても戦力としても、相性としても悪くは無いからなぁ……まぁ、明日にはネロが戦力になれるような編成を頑張ってみるからさ、行こうよ」
「むぅ……絶対だぞ? 絶対だからな!?」
「どんと来い! 何とかやってみようじゃないか! 効率は二の次で!」
「うむ! 流石は余のマスター! 任せたぞ!! では行こうではないか!!」
そう言うと、ネロはオオガミの手を引いてマシュ達が言った方向へと走っていく。
「……儂ら、忘れられてるよネ」
「それ以前に、明らかに辛い編成になるわよね、明日」
「そこに触れるのは不味いじゃろ……」
残されたノッブとエウリュアレは、深くため息を吐いた後、皆の後を追うのだった。
やばかった。礼装が足りなかったです。明日はとりあえず一回挑んでからネロを活用……出来るか…?