なるほど新機能(なんて厄介なのを搭載してくれたのかしら……!!)
「……ステルス?」
「ちょっと待って。マスターがこれ以上逃げる性能上がるのは反対よ」
「でも、もう搭載されちゃいましたから……」
遠方からとはいえ、立派なステルス機能。それをオオガミが持つとは、つまり、厄介レベルが上がるという事だ。
そのせいでエウリュアレとアナが苦い顔をしているのだが、オオガミは満足そうだった。
「ハァ……まぁいいわ。それで、今回はどんな感じ?」
「あぁ、うん。当初の予定を変更していつも通りで行こうかと。エレちゃんにはもうちょっとお休みしてもらうかなぁ……」
「別に、レアリティまで縛る必要は無いと思うのだけど。絆礼装を貰っていないサーヴァントを連れて行くってだけでいいじゃない」
「ん~……それもそうなんだけどさぁ……容赦なく行ってもいいんだけど、それだと案外さっくり終わりそうじゃん? それはなんというか、味気ないかなぁって」
「自分の命がかかってるとは思えないセリフよね、それ」
特に意味も無く編成に縛りを入れているあたり、意外と末期なのかもしれない。
「というか、当初の予定って?」
「ん? あぁ、クラス編成縛りをしてたんだけど、勝てない敵が出たので諦めていつもの奴に変更したってだけ。チャージアタックもスキルも厄介だから、やってられなかった」
「なるほどね……いえ、だから、縛る必要はないんじゃないかしら?」
「いや、なんというか、やらなきゃいけない感じがして……」
「別に誰も望んではいないと思うのよね……そんな使命感捨てちゃいなさいよ」
「ん~……完全にダメってなったら、その時だね。まぁ、この分だと、最悪エウリュアレが出てくるかもだけど」
「……あぁ、墓穴だったわ……」
今ので、なんとなく呼び出されそうな雰囲気を感じ取るエウリュアレ。実際にどうなるかはわからないが。
「でも、姉様。たぶん今のマスターは、容赦なく連れていくというよりも、勝機があるから連れていくという方が多いので、昔と違って楽だとは思います」
「……まぁ、その通りではあるけども、でも、そうじゃないのよ。私が出るときって言うのは、要するに、本気でどうしようもなかったときってことなのよ。男性が相手の時に限るけどね。だから、呼び出される可能性があるってことは、男性で、それだけ面倒なのがいるってことよ」
「……あぁ、そういうことですか」
要するに、面倒な相手を投げつけるな。ということらしい。
当然とばかりの表情をするエウリュアレに、アナは苦笑いをするのだった。
最初は、たぶんメインサーヴァントはセイバーかなーって思ったので、セイバーオンリー縛りで行こうかと思った後、四節ラストで詰まったので縛り変更。妥協しないと終わりそうになかった……