「召喚応じ馳せ参じたわ! ねぇ、初日退去とか無いわよね!? って、ギャー! マスターが倒れているのだけれど!?」
「むしろ私は初日退去をさせてもらいたい。霊基がここは過労死させに来ると悲鳴を上げている。なぁ、さっさと帰れないのか? おい、なんとか言え」
召喚されたサーヴァントはエレシュキガルと諸葛孔明。
それを認識した瞬間、マシュに殴られるよりも早く、ぶっ倒れるオオガミ。
きっと現実を受け止められなかったのだろう。キャパオーバーというやつだ。
エウリュアレはそれに対して苦笑いをし、オオガミを叩けなかったマシュは襟を掴んで持ち上げる。
「先輩! 無断で召喚したのはこの際気にしませんが、どうやって育成するんですかっ! 種火は!?」
「ちょっと……そいつ、気絶してるのよ……?」
「関係無いですっ! 先輩は無駄に頑丈ですからっ!」
「そ、そう……まぁ、殺さない程度にね?」
エウリュアレの言葉を最後まで聞く前に、オオガミを連れ去るマシュ。
本気でマスターを心配しているエレシュキガルと、本気で過労死させられるんじゃないかと不安な孔明。
途端、誰かが迫ってくる気配にエウリュアレが気付くと同時に開けられる扉。
そこにいるのは明らかに全速力で来たであろうスカディだった。
「孔明とやらはどっちだ?」
「あっちの老け顔で今にも死にそうな方」
「ずいぶんな言い草だなっ!」
「ここ……さては修羅の国というやつなのでは……? 私、カルデアに召喚されたんじゃなかったかしら……?」
スカディはエウリュアレの言葉を聞いて、孔明に近付くと、
「ふふっ……ふふふふふっ……! 良く来たな。誉めて使わす。さぁ、種火をたんと食べろ。今すぐに、たくさんと!」
「うん分かったさては周回地獄に引き込もうとしてるな!? 嫌だ俺は行かないからな!」
「あ、エレシュキガルの分はちゃんとあるから。ついでに、なけなしのQPでスキル育成も一応するわよ。まぁ、本当にほとんどないから、スキルを一つMAXにするのが限界じゃないかしら」
「そんな、厚待遇過ぎないかしら……本当に良いの?」
「えぇ、種火なら腐るほどにあるし。むしろ消費してもらわないと困るわ。マシュはなんでか知らないけど怒ってるけれど」
「そ、そうなの? じゃあ、お言葉に甘えて、貰うわね」
無理矢理スカディに引きずられていく孔明と、上機嫌でエウリュアレについていくエレシュキガル。
とはいえ、最近はQPを使いすぎているので、そちらが原因で、ほとんど育成はできないだろうとエウリュアレは思うのだった。
友人二人の神引きに感謝。虹回転と金回転とか、そんな見れるものじゃないですって……
まぁ、孔明の育成はクリスマスボックス待ちになるんですけどね……