今日のカルデア   作:大神 龍

596 / 1263
※冥界のメリークリスマスのネタバレがあります! ご注意ください!!










な~んでお主がおるんじゃ(何よ。いたら悪いっていうの?)

「……なんでお主がここにおるんじゃ」

「……なによ。悪い?」

 

 厨房に当然のようにいるエウリュアレ。その手元にはアイスがある。

 顔が赤いところを見るにも治っているようには思えない。

 

「何しとったんじゃ?」

「見ればわかるでしょ。アイスを食べてるの」

「そうじゃな……残っとるか?」

「えぇ、たくさん。マスターの作り置きよ」

「ふむ。ならいいんじゃ。いくつかもらっていくぞ」

 

 そう言って、冷蔵庫へと向かっていくノッブ。それとは逆に、エウリュアレの方へと向かっていくアビゲイル。

 

「あら、どうしたの?」

「疲れたわ……エウリュアレさんの所に行って良い……?」

「いいけど……マスターの部屋よ……?」

「……なんでエウリュアレさんがマスターの部屋に住んでるのかが分からないわ……」

 

 今さらではあるが、突っ込みどころしかない状況。補足しておくと、オオガミの部屋にベッドは一つしかない。

 

「いえ、だって、私は部屋を持ってないもの」

「えっ。エウリュアレさん、お部屋なかったの……?」

「そうよ? でも、誰も言及しないのよねぇ……いえ、私も不自由してる訳じゃないから良いのだけど」

「マスターの部屋に住んでたら、確かに誰も言わないわ……」

「場所がないから仕方なくそこにいるだけなのだけどね……まぁ、そこでも良いなら部屋に来ても良いのだけど」

「ん~……ノッブさんと一緒にアイスを届けてから行くわ」

「そう? じゃあ、ノッブ。ちゃんと連れてきなさいよ」

「おぅおぅ。なぜ儂じゃ。一人でも大丈夫じゃろ」

 

 突然話を振られたノッブは、アイスが入った袋をもって戻ってきていた。

 

「あら、出来ないの?」

「たわけ。出来ぬわけ無かろう。儂に任せい。しかと届けてみせるとも」

「……今日のノッブ、扱いやすいのね……」

「熱に浮かされているんじゃないかしら……」

「儂だってそう思うし。というか、分かっていてそういうことをするお主もお主よな」

「さてね。ほら、さっさと荷物を届けてきなさい。アビーも頑張ってね」

「えぇ、頑張るわ……」

「儂には無いんか?」

「BBによろしくね?」

「儂にじゃないじゃん! 期待はしとらんけども!」

 

 そう叫び、しかし自分に響いたのかうずくまるノッブ。

 しかし、すぐに立ち上がると、

 

「はぁ……ほれ、アビー。さっさと配って。ー、マスターの部屋に行くんじゃろ。行くぞ。それとエウリュアレ。動けないなら動けないなりにどうにかしてマスターの部屋に戻るんじゃぞ」

「……えぇ、分かってるわよ」

 

 ノッブとアビゲイルは出ていき、エウリュアレはノッブの言葉に対してポツリと呟くのだった。




 ちゃんと観察しているノッブと、プライドが限界突破しているエウリュアレ。アビーは癒し枠となるのです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。