突撃! 目覚めの一撃!(儂、死ぬかと思ったんじゃが)
「きゃふー!」
「ダーイブ!」
「てやーっ!」
「グハァッ!?」
アビゲイル、ジャック、バニヤンの同時ダイブ攻撃を受けて肺の中の空気が全て吐き出されて瀕死になるノッブ。
心地の良い睡眠から一転、地獄のような起こされ方で青い顔になっているノッブを見て、すぐに起き上がる三人。
「あ、あれ……マスターはこれをしても大丈夫だったのだけど……」
「ノッブ、大丈夫? 解体する?」
「スープ飲む? 回復するよ?」
「う、うむ……儂は大丈夫じゃ……とりあえず、退いてくれんか? 流石に腹の上で膝立ちは死ぬ」
「え? ……あ、ダメよジャック。それはマスターの時でもダメよ?」
「ノッブはサーヴァントだから大丈夫かなって思ったんだけど……ダメ?」
「ダ~メ。ノッブさん、打たれ弱いんだから」
「えっ、ちょっと待って儂そんなに打たれ弱いはずないんじゃが? 訴訟するぞ?」
「良く分かんないけど負けないぞ~?」
「隠蔽しなきゃ……」
「魔女裁判……する?」
「うん。儂圧倒的不利だね」
情報抹消のプロに、ヤベェ裁判の少女。
バニヤンが戦力外としても、流石に勝てるような相手ではない。
「はぁ……で、儂に何のようじゃ?」
「あぁ、そうそう。マスターが、後で遊びに行くから準備しておいて、だって」
「ん。分かった。お主らはどうする?」
「私たちは茶々とバラキーと一緒に遊びに行くよ?」
「でも、アビーはマスターと一緒に遊ぶって言ってたよ?」
「ふむ。じゃあ、準備はあれとあれと……うむ。まぁ、それくらいか」
立ち上がり、自作の収納ボックスを漁りに行くノッブ。
しばらくすると、いくつかの機械を持って戻ってくる。
「まぁ、これくらいで良いじゃろ。アビゲイルも遊ぶなら手伝え。それと、ジャックとバニヤンにはこれをやろう」
そう言って、何かを放り投げるノッブ。
咄嗟にそれを受け取ったジャックとバニヤンは、その正体に目を輝かせる。
「猫の形の飴?」
「ノッブが隠し持ってたー!」
「人聞きの悪いことを……それはこの前マスターが作ったやつの余りじゃ。ラッピングは儂じゃけどね」
「ノッブ、そういうところ器用よね」
「そういうところだけじゃないじゃろ。最近設備にまで手を出し始めた儂に死角はない!」
「無駄に器用よね……マスターも似たようなものだけど……」
割れないように透明な箱に入っている飴を眺める二人と、その二人を見て改めてオオガミとノッブの器用さを再認識するアビゲイル。
ノッブはため息を吐くと、
「ほれ、あと二つあるから、これを持っていけ。さて、アビゲイルは手伝ってもらうからな。まずは荷物運びからじゃ」
「は~い」
そう言って、ノッブの後ろをアビゲイルはついていくのだった。
マスターなら大丈夫というパワーワード。