「「遊園地終了のお知らせっ!」」
「がふっ!?」
背後からのタックルが直撃し、前に勢いよく倒れるオオガミ。
犯人はアビゲイルと茶々。隣にいたマシュは驚いて固まっていた。
「うぐ……し、死ぬかと思った……」
「マスターはこんくらいじゃ死なないって! 一撃じゃないならどうせすぐ回復するし!」
「私は回避されるか無敵を張られるかって考えていたのだけど……流石に門を使ってのタックルは良くなかったんじゃないかしら……」
「お、お二人とも、いくら先輩が頑丈で死ににくい、実質不死身だからと言っても、流石に限度があると思うんです。いえ、まぁ、サーヴァントのタックルを食らって無事なところを見ると、不安になってきますけど……」
「ちょっとマシュ? 庇うなら不安にならないでいよう? それだとまるで人間やめてるみたいに聞こえるよ?」
「マスター今更じゃんね!?」
「無敵貫通や強化解除がない宝具に対しては掠りもしないマスターはわりと人間じゃないと思うの……」
「おっと。恒例の人間じゃないでしょ判定だね? 泣いてやる!」
現に今タックルを食らって要所を擦りむいているのだが、別段痛がっている様子もなくテキパキと治療していくのを見て、流石に慣れすぎてるのではないかと思う三人。
というより、その治療キットはどこから取り出したのだろうか。アビゲイルはその部分が特に気になっていた。
「はぁ……しかし、遊園地も終わりかぁ……意外と骨が収集できてたんだけどなぁ……」
「大丈夫よ。きっと次のイベントも貰えるわ! その時に集めれば良いじゃない!」
「ほら、次はボックスだし! 美味しいから自然と周回するし! だよね、マスター!」
「あ~……うん。次はクリスマスボックスガチャだね! 全然行けるじゃん! 余裕余裕!」
笑い合うオオガミと茶々を見ていたアビゲイルは、苦笑いで、
「……これがフラグってものなのかしら……」
「たぶん、そんなにリンゴを使わないで終わると思うんですよね……例年を考えると」
「そうよねぇ……うん、皆を探してこようかしら」
「ちゃんと連れてきたから、後は帰るだけよ」
振り向くと、バラキーの襟首を掴んでいるエウリュアレがいた。
それだけでバラキーを引きずってきた事が分かってしまうのだが、それ以上に、後ろでアナに引きずられてきたBBとキアラの方が衝撃的だった。
「えっと……二人とも、負けたの?」
「勝ちそうだったから倒しておいたわ。とはいっても、私が止めを刺した訳じゃないけど。流石にヒーローショーでヒーローが負けるのは問題じゃないかしら。高難易度をやってるなら分かるけど、普通のヒーローショーよ?」
「えぇ……いえ、まぁ、分かるのだけど……う~ん……まぁ、気にしなくても大丈夫ね。というか、向こう側で悪役を用意してないのってどうなのかしら……」
アビゲイルはそんなことを呟きつつ、門を開けるのだった。
ん~……セイレムピックアップ回すか、次に来るエレちゃん待つか……うぅむ、難しいところです。