鬼救阿が来た~~!!(流石にこの爆死は心に響く……)
「鬼救阿! 鬼救阿だぞマスター!!」
「鬼救阿! まるで休日朝にやっているアニメのようだわ! バラキーと見たもの!」
「私もやってみたいなぁ! でも、あそこまで力はないからなぁ……!」
はしゃぐバラキーとアビゲイル、バニヤンの三人。
その後ろには、ベンチに座って魂が抜けているオオガミと、その隣でチュロスをモグモグと食べているエウリュアレ。
「……別に、いつもの事じゃない。気にする必要は無いでしょ」
「いつものことだからかなぁ……うん。礼装は二枚ずつ手に入ったけどさ……そうじゃないでしょ……」
「そうねぇ……まぁ、いくら石を集めても手に入らないのが多いわよねぇ……」
「……今日はふて寝しても良いよね」
「……明日から頑張りなさいよ」
膝の上に倒れてきたオオガミを振り払うことなく、諦めたようにそのまま膝枕をするエウリュアレ。
当然、他のサーヴァントからすると、オオガミの状態など知ったことではない。
それを証明するかのようにバラキーが突撃してくる。
「早く周回して鬼救阿を強化するのだ! いや、
「今日のマスターは終了よ。暴れ足りないなら私が付き合うわ。ほら、周回でしょ。早く行くわよ」
「な、エウリュアレ! 何故邪魔をする!」
「そうねぇ~……特に理由はないけど、今起こされるのは気にくわないわ。ほら、周回なら私と一緒でも問題ないでしょ?」
「だ、だがぁ……!」
「礼装も人数も揃ってるんだし、行かない理由はないわよね」
「むむ……それもそうだな! なら、吾が一番だ! 鬼の力、見せてくれよう!」
そう言って走り出すバラキーを、エウリュアレは追いかけていく。
そんな二人が見えなくなった頃に、入れ替わるようにオオガミの所へ現れるアビゲイル。
「マスターが寝てるのに、エウリュアレさんが置いていくなんて珍しいわね……」
そう呟いたアビゲイルは、少し考えた後、何を思ったのか、オオガミの頭をそっと持ち上げ、自分の膝の上に乗せる。
「……これ、エウリュアレさんにバレたら怒られるのかしら……」
アビゲイルはそんな事を呟くが、おそらくエウリュアレは怒らない。むしろアナの方が妙に反応しそうなのだが、今のアビゲイルは気付けないのだった。
「ねぇ、何をしてるの?」
「うわひゃぁ!?」
背後からかけられた声に驚いて悲鳴を上げるアビゲイル。
振り向くと、そこにはジャックが不思議そうな顔をして見ていた。
「あぁ、いえ、その、なんでもないわ。ちょっと魔が差しただけなの。うん。ジャックも後でする?」
「ううん。むしろ私はしてもらいたいな。後でお願いしよ!」
「そ、そうね。じゃあ、マスターが起きたらお願いしてみましょう」
「うん!」
そうして、アビゲイルはほっと息を吐き、ジャックと一緒にオオガミが起きるのを待つのだった。
大体いつも通り。しかし精神ダメージがデカい……
唯一の救いは、恒常だから焦る必要はないってことですかね……(吐血