「ん~……明日からイベント始まるんだよね」
「石を貯めないといけないわよ?」
現状、60個程という、あるけども多くはないという石の量。
その状況にオオガミは苦い顔をし、エウリュアレはため息を吐く。
「全く。復刻ハロウィンで無駄に石を使うからよ」
「うぐぐ……礼装が欲しいからって回しすぎたよ……結局出なかったし」
「出れば儲けだけど、出なかったらただの損よね。まぁ、復刻版だから、再復刻しないと思うから仕方ないんだけどね。悩んでも仕方ないし、さっさと集めるわよ」
そう言って、オオガミの手を引くエウリュアレ。
オオガミはそろそろ飽きてきたりしているが、エウリュアレがそれを許すわけもなかった。
「とはいっても、フリークエストを周回するつもりはないから、これ以上集めようがないんだよね」
「……それを先に言いなさいよ」
そう言って手を離すエウリュアレ。若干頬が膨らんでいることから、怒っているのが分かる。
「いや、まぁ、エウリュアレはフリークエストを周回させるつもりなのかなって思ったからさ。流石にフリークエストまでやると、本気で備蓄がなくなるから」
「まぁ、メルトリリス用の石が完全に無くなるものね。確かにそれは問題だわ。でもねマスター。私、こうも思うの」
エウリュアレは一拍置き、
「どうせなんだかんだ言って使っちゃうんだし、今使っても良くない?」
「それは言っちゃいけないと思う」
根本的に、このマスターは意思力が弱かった。
エウリュアレの評価に半泣きのオオガミ。
そこへどこからともなく現れたノッブは、
「のぅマスター。面白いものを作ってみたんじゃが、ちょいと見ていかんか?」
「……今度は何を開発したのさ……」
ノッブに言われ、ふらふらとついていくオオガミ。
エウリュアレはなんとなく嫌な予感がして、こっそりとついていく。
そして、二人が入っていったのはノッブとBBを閉じ込めていた部屋。
そこには見慣れない機械があり、BBがとっても不安そうにしていた。
「ノッブ……本当にやるんですか?」
「せっかく作ったんじゃし、一回試してみたいじゃろ。失敗したら~……うむ。儂と機械がぶん投げられるだけじゃな」
「私も巻き込まれちゃったりしないです? 大丈夫ですか?」
「いやぁ……流石にそれはないじゃろ~。マスターなら八つ当たりはしないじゃろうし」
「うっわぁ~……不安ですぅ~……」
はたして何を作ったのか。
オオガミはそう思い、機械の前に立つ。
「んで、使い方なんじゃが、まだ作りかけでな。今のところは初動の魔力不足でな。いくらか魔力を入れたら後は勝手に増幅してくれる」
「……永久機関?」
「そうじゃな。まぁ、近いだけじゃけど。聖杯に似たシステムを作れないかと錯誤した結果、こうなった。扱いを間違えるとボンッ! ってなるが、まぁ問題ないじゃろ!」
「大問題だよ! アホか!」
「ぬおあぁ!? マジで壊しにいく奴がいるかぁ!!」
瞬間強化で機械に蹴りをかますオオガミに、悲鳴を上げるノッブ。
わりととんでもない発明品なのだが、危険すぎるので粉砕しにいく辺り、やはり人理を修復しただけはあるだろう。
「ったく。BBが内部構造を手伝ってるのは分かってるからね! 後で覚悟しておいてよ!」
「いえ、私としては、軽い気持ちで作ったのをそのまま運用しようとするノッブの精神が流石すぎて、止められなくなってたので助かります。えぇ、はい。よくやりますよこの武将」
「BBだってノリノリで手伝ってたじゃろ!? 儂だけじゃないし!」
「じゃあ、二人とも締め上げれば良いんでしょうか」
背後から響いた声に反応するよりも早く、ノッブは鎖で宙吊りにされる。
下ではアナがほぼ無表情に近い、しかし見るものが見れば怒っていると分かる表情をしていた。
「……儂、疲れてるんじゃよ……うむ。仕置きが終わったら後でトレーニングルームに行くから、連れていってくれ」
「了解。じゃ、アナはそのままノッブを連れてって。BBはこっちで手伝って」
「は~い。というか、何をさせる気ですか……」
「毒味」
「……本当に毒が入ってたりしませんよね?」
そう言って、オオガミとBBは部屋を出ていき、ノッブはアナに引きずられ、部屋を出た辺りでニヤニヤとしているエウリュアレを合流してどこかへと連れ去られるのだった。
途中から何を書いてるのか分からなくなってた私です。
さりげなくノッブがやべぇもん作ってますが、ギャグ時空なんで何事もなかったかのように処理したいです。処理したいです。(大事なことだからry