「ってことがあってですね~? お二人が全然構ってくれないんですよぉ~……」
「それを言うためだけにここに来たの……? もしかして、BBさんって暇なのかしら……」
「いや、アビーさんが言うことでもないですけどね?」
エウリュアレとオオガミが構ってくれないと文句を言いに来たBBに、頬を引きつらせるアビゲイル。
今はハロウィンの仮装用に衣装を作っているところだったので、あまり邪魔をされたくないのが本音だった。
「むぅ……さては、アビーさんも私を邪魔者扱いしてますね?」
「えっ、い、いや、そう言うわけではないのだけど……」
「じゃあなんでちょっと引き気味なんですか……」
「いえ、引き気味と言うより、今はちょっと面倒くさいなぁって思っただけなのだけど」
「やっぱり邪魔者扱いじゃないですかー! 流石のBBちゃんも、ここまで邪険にされると泣いちゃいますよ!?」
「えぇ~……泣かれると慰めないといけないから困るんだけど……」
「手間のかかる子扱い……!!」
運ぶ予定だった荷物を触手に代行させ、仕方ないとばかりにBBの話に付き合う事にするアビゲイル。
構ってもらえそうな気配に気づいたBBは目を輝かせると、
「アビーさんなら邪険にしないって信じてました!」
「さっき言ってたことの真逆の事を平然と言えるの、凄いと思うわ。そう言うところ、尊敬するのだけど……」
「むふふ~。そんなことを言われたら、機嫌よくなっちゃいますよ? 何か手伝いましょうか?」
「えぇ~……BBさん、工学担当じゃない。お裁縫、出来るの?」
「こ、工学担当……そもそも私、システムを弄れるだけでそこまで工学サイドじゃないんですけど……ちゃんと裁縫も出来ますよ」
「本当に? ノリと勢いで裁縫してるのに途中からメカエリちゃんみたいなのを作ろうとしたりしない?」
「そ、それはちょっと保証できないですねぇ……興が乗ったら作っちゃうかと」
やはり工学サイドの趣味人だった。ノッブと一緒にとんでもマシーンを作っていたのは伊達じゃないということか。
アビゲイルはそんなことを思いながら、
「むぅ……まぁいいわ。お裁縫が出来るなら助っ人になるわ。文句を言い続けるより、何か作業した方が気分は晴れるわ。レッツ仮装! お裁縫の時間よ!」
「な、なんだかわかりませんが、BBちゃんも頑張りますよ! 鍛えた後輩力ってものを見せてあげます!」
そう言って胸を張るBBを見て、アビゲイルは後輩力に関して考えつつ、既に作業をしているジャック達の元へと向かうのだった。
ついに二人が完全にBBに構わなくなった様子。BBが面倒というよりも単純に二人の世界に入った可能性……
さて、チビッ子の仮装……どうしようかなぁ……