「ふぃ~……クエストコンプリートかな」
「意外とあっさり終わるものですねぇ……まぁ、高難易度が残ってるんですけど」
「素材交換も残ってるわね……」
クエスト100個を達成して、姫路城の屋根の上で一息ついているところに追い打ちを仕掛けてくるBBとエウリュアレ。
オオガミはその対応に涙目になるが、想像以上に残っているので、何も言えなかった。
「いやぁ……うん。今日は頑張ったんだけど、労いは無いんですか」
「それなら真っ先にBBちゃんを労ってほしいんですけど。BBちゃん、フル出演ですよ?」
「あぁ、うん。BBちゃんは頑張った。次のイベントまでは休憩に入ってどうぞ」
「雑ですぅ! もうちょっとBBちゃんにも構ってくださいよ!」
頬を膨らませて怒るBBに、オオガミは苦笑いをしながら受け流す。
エウリュアレはそんな二人を見て、少し頬を膨らませると、オオガミを引っ張って自分の膝の上に倒す。
突然の事に困惑するオオガミとBB。
「え、えぇっと、エウリュアレさん? 突然どうしたの?」
「何よ。貴方が労って欲しいと言ったんじゃない。それとも、これは労いには含まないのかしら?」
「いや、そんなことはないけど……エウリュアレからしてくれるのは珍しいなって」
「そうね。実際、私も自分で珍しいって思ってるわ。でもまぁ、ギル祭で100箱開けたときにはなにもしてなかったしね。それに、貴方の誕生日にも。だから、今日くらいは良いかなって思っただけよ」
「そ、そういうこと……」
オオガミがそう言って、ようやく力を抜いた。
そして、エウリュアレはにこにことしながらBBに鋭い視線を向ける。
その視線は、なんとなく「今日は譲らない」と言っているようにも見えた。
それに対して、BBは面白くなさそうな表情をするが、すぐに何かを思い付いたような顔をして、スタスタと屋根から降りていった。
「……それにしても、本当に最近私は何もしてないわよね」
「ん~……まぁね。昔と違って、戦力も増えてきたし、エウリュアレがいなくてもなんとかなるようになったのが大きいかな。戦力が昔のままなら、エウリュアレとロビンさんのアーチャー二大戦線だったんだろうなって」
「そもそもアーチャーが少ないものね……そりゃ、私とロビンの二人で、時々ノッブかアルテラってなってるわよね。まぁ、エミヤもジャンヌも、後さりげなくいる水辺の騎士王たちのおかげで今ではアーチャーは足りてるんだけどね。というか、これで全クラスの戦力は足りてるんじゃないかしら」
「まぁ、ジャックも来たしね。全クラス星5も達成かな」
「そうね。でも、エクストラクラスの運用が多すぎないかしら」
「まぁ、相性を気にしなくて良いからねぇ……真面目じゃないならそれでなんとかなるもの」
そう言いながら二人は話続けるが、BBが帰ってくる頃には二人して寝ているのだった。
珍しくデレデレなエウリュアレ。やりたくなってしまったのだから仕方ない……