「ん~……ここの景色はやっぱいいよね~」
「そうね~……でも、ここまで来ると、むしろ足がすくむのが普通だと思うわ」
姫路城の屋根の上から遠くを見るオオガミ。
隣のエウリュアレは、下を見て苦笑いしていた。
「はぁ……私、ずっと周回してる気がするんですけど。アビーさんよりしてません?」
「そうねぇ~……ギル祭以降、ずっと運用され続けてるものね」
「まぁ、エウリュアレやドレイク船長よりはまだ運用してないと思うんだけど」
「……ねぇセンパイ? 私、ドレイクさんに会った覚えがないんですけど……」
「うん。再召喚されてないのもあるけど、そもそも最近はドレイク船長が出るまでもなく終わるからね」
「えぇ~……じゃあ私も待機で良くないですか?」
「そりゃ、BBは今のところ優秀なアタッカーなので、三ターン高速周回しない限り外されることは基本無いね」
「それをされるとモノ作りに大きなダメージが……いえ、何でもないです。まぁ、こればっかりは仕方無いですしね。次のアタッカー補充までは私が担当しますよ~っと」
頬を膨らませて不機嫌そうな態度をするBB。
それを見て、エウリュアレとオオガミは苦笑しつつ、
「まぁ、今回のイベントが終わったら、一週間くらい暇はあるし。次の敵増加系イベントまでは休憩できるよ」
「むぅ……私知ってますよ? 次のイベントも明らかに敵増加系イベントだってこと。えぇ、はい。後輩レーダーにビビっと来てますとも」
「……正直、もう敵増加系はやりたくないんだけど……うん。まぁ、BBの後輩レーダーに引っ掛かったなら、きっと敵増加系なんだろうなぁ……コフッ」
「セルフ擬音っ! そんなレベルで嫌ですか! いえ、私も嫌ですけど!」
「まぁ、そもそも大量の敵だと、事故りやすいものね……」
セルフ擬音を呟きながら屋根の上に倒れるオオガミと、その嫌がりように突っ込むBBと事故の恐怖を知っていて共感しているエウリュアレ。
今でも三騎士は苦手なのは変わらない。
「……そう言えば、バニヤンさん達、静かになりましたね……」
「あぁ……今は一旦休憩だって言って、エミヤのご飯を食べてるよ。お腹空いたってさ」
「……平和というかなんと言うか……あの巨大メカエリちゃんに挑んで見逃してもらえるんですねぇ……」
「まぁ、エリザ粒子不足だし、仕方ないんじゃないかな。自立してないし」
「……変な粒子、後どれだけ増えるんでしょうか……」
BBは、ノッブならきっと粒子を研究してとんでもないものを作るんだろうなぁ……と思いつつ遠い目をする。
オオガミは、これ以上増えられたら突然変異ウィルスでも生まれるんじゃないかという嫌な予感がしていた。
エウリュアレはそんな二人を見て、苦笑するのだった。
もう既に手遅れの可能性。
というか、前に実際ノッブが作ろうとしてた気がするんですが……うぅむ、思い出せない……