「さて、さっきまで隣にエウリュアレがいる状態でエウリュアレが出てくるエリアを周回していた訳ですが」
「えぇ、後で覚悟しておきなさい?」
先程までひたすらに周回していたが、途中でアーチャーで神性持ちなら姫路城にもう一人いたことを思い出し、今さらになって移動した。
当然、目の前でぶっ飛ばされているのを見ていたので、エウリュアレは凄みのある笑顔をしていた。
「うん。後でエウリュアレの機嫌を取るために奔走するのは確定したんだけど、そうじゃなくて、外がとんでもないことになってるんだよ」
「……そうねぇ……いつもより、ちょっと暴れてるわよねぇ……」
「えぇ~……センパイ達、なんであんなのに慣れてるんですか……私的に結構衝撃的だったんですけど」
外では、今まさにビームが撃たれ、それをバニヤンがチェーンソーでぶったぎっていた。そのせいで弾かれたビームが周囲に飛び散るが、ギルガメッシュとアビーが迎撃しているので今のところ被害はない。
「あれってさぁ……どっちを止めれば良いんだろ……」
「とりあえず、始めたのはおおよそアビーだから、アビーを叱っておけば良いんじゃないかしら。後、あの金ぴかは後始末ね。茶々は天守閣から逆さ吊りで許しましょう」
「ジャックとバニヤンにはお菓子の試食を手伝ってもらうかな。ロシアンクッキーを作るよ」
「……それ、私に出したら締め上げるわよ?」
「エウリュアレなら食べないでしょ。たぶん」
「えっ、BBちゃん、なんとなく想像できるんですけど、間違いなくその時に限って呼ばれますよね? もしくは呼びまくって警戒が薄れたところに突然投げ込んできますよね?」
「いやいや、流石にそんなことしないって」
オオガミは苦笑いをしながら、しかし、その手もあったと思う。
エウリュアレはそんな事を考えているのだろうと思いつつ、外で戦闘している巨人戦士バニヤーンとメガメカエリちゃんによる戦闘を見ていた。
そして、一人で被害妄想を加速させているBBは、何もしないと言っているにもかかわらず既に半泣きだった。
そんな時に、ふとエウリュアレは気付く。
「……スカディは?」
「……また失踪したのかあの女神さま!?」
「あぁ、いえ、失踪したというより、あそこに混ざってます」
BBに言われて視線を向けると、バニヤンの肩の上に乗って、ギルガメッシュと話しながら鎧や武器に無駄に装飾を施していっていた。
ただ、アナも一緒にいるので、暴れすぎないようにしてくれるだろう。
「……自由か!!」
「絶対センパイには言われたくないと思います」
「えぇ、貴方は言っちゃいけない言葉ね」
「えぇっ……めっちゃ理不尽……」
二人に即答され、半泣きになるオオガミ。
とはいえ、そろそろバニヤンの見た目が主人公と言うよりもボスキャラに近づいて来ていた。
しかし、誰もそれを言及しないので、ひたすらにバニヤンの装備は強い見た目になっていくのだった。
エウリュアレだろうと、敵なら容赦なく倒すオオガミ君……ある意味割り切っている感。
というか、イシュタルがいたのを完全に忘れてたんですよね……
はい。バニヤンがめっちゃごつくなってます。誰だこんなことにしたのは。