「ふむ……ふと思ったのだが、この館……奇妙な形をしているな。館に、ピラミッドとやらを逆さに突き刺し、その上に城を建てるとは……中々見れない光景だな」
「中々っていうか、普通は見れないですスカサハ様」
ひっくり返りそうなくらいに見上げているスカディを見つつ、オオガミはその呟きに答える。
「ふむ……汎人類史は凄いな。実は異聞帯よりもおかしいのではないか……?」
「否定できないのがびっくりだぁ……」
「センパイそこは頑張ってください」
「何を頑張れと……」
神妙な顔で呟くスカディに突っ込みつつ、謎の応援をするBBにも突っ込むオオガミ。
今回は周回ものんびりなので、出会う敵を適当にあしらいながらの城内探索もしていた。
アビーとジャックは出現した巨大メカエリちゃん二号と大きさ対決をしているバニヤンの肩の上に立っていたりする。
「それで、エウリュアレさんを追って探索するんですか?」
「そのうちね。今はまだいいかな」
「そうですか。あ、そうだ。センパイ。マシュさんが失踪したんですが、どこに行ったか知ってます?」
「いや、知らないけど……あぁ、たぶん、こっちに来ないでシャドウ・ボーダーに帰ったんじゃないかな……ボックスを100箱開けたら素材がじゃんじゃか入るし……それに、イベントで新シンさんとCEOが出張するし……」
「あぁ……倉庫整理ですか……暇になったらちょっと手伝ってあげましょうか……」
「うん、そうしてあげて。一週間くらいの休憩はあるから、その時には俺も手伝うけど」
「あれっ。休憩時間があるなら、ササッとノッブを召喚して楽できるようにしたらいいんじゃ……? あ、いえ、やっぱ何でもないです!」
BBは何でもないと言って笑みを浮かべ、絶対に追及させないとばかりの勢いだった。
その勢いに気圧されたオオガミは、それ以上は特には何も言わずに前を向く。すると、
「継ぎ目の部分……気になるな。人間は面白い事を考える。さて、暮らしやすいのだろうか?」
「絶対に暮らしにくいですからねっ!? しかも、明らかな事故(物理)物件ですから!!」
「天然なのかわざと言っているのか分からないのが凄いですその人。ちょっと流石のBBちゃんも勝てる気がしないです」
「BBはそもそも張り合う対象として見ないで!!」
「流石に張り合いませんよ!? というか、私をどういう目線で見てるんですか!!」
元気に中へと入って行くスカディについて行くオオガミと、抗議しながらついて行くBB。
上空ではバニヤンたちの謎の張り合いの声が聞こえてくるが、三人は気にしないのだった。
礼装詰みまくって、アイテム無視してのんびりクエスト消化中……リンゴ無しで行けるか……?