「よし、後2000かな」
「それで目標の100箱ね。やりきれるなら良いのだけど」
「流石にここまで来て止めるつもりはないんだけど……」
そう言って、リンゴの数を数えるオオガミと、それを見つめるエウリュアレ。
そこにやって来たのはスカディ。
「ふむ……もしや、後少しか? なら、急いで終わらせるとしよう」
「えぇ……めっちゃ生き生きとしてるんだけど……いや、気持ちは分かるけども」
「めちゃくちゃ振り回してたものね……ずっとスキルを使いまくってたもの」
「あぁ、流石に飽きてきた。だから、終わったら少し散策を手伝ってもらうぞ人の子よ」
「了解です。まぁ、一人じゃないかもしれないですけど」
そう言って、ちらりとエウリュアレを見るオオガミ。
その表情は笑顔だが、置いていったら射つという意思を感じた。
「あぁ、私は構わない。多いのは良いことだ。一人よりはな。むしろ、何人か誘ってもらう予定だったから、気にしなくていい」
「なるほど。じゃあ、何人か誘ってみますね!」
そう言って、誰を誘うかと考えるオオガミ。
エウリュアレはそれを微笑ましそうな表情で見つつ、
「さて、じゃあ散策のために準備しようかしら。リンゴは準備済みよ」
「いや、それ俺が準備した奴じゃ……まぁいいや。じゃあ、さっさと終わらせようか。エウリュアレは適当に声かけてきてね」
「そうね、そうするわ。行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
オオガミはそう言って、スカディと一緒に周回へと向かっていくのだった。
* * *
「って訳で、行きたい人」
「はいはいはいはいはい!! 絶対行くわ!」
そう、元気一杯に手を上げるアビゲイル。とはいえ、それは想定済みなので気にしないことにする。
「アナスタシアはどうする? まぁ、午前中だけなんだけどね」
「そうね……ちょうどお店の片付けも終わったし、遊びに行こうかしら」
「じゃあ行くのね。アナは強制として、後はジャックとバニヤンかしらね?」
「まぁ、そんなところかしら……」
「吾、忘れられてないか!?」
「あ、バラキー……ごめん、忘れてたわ。じゃあ、今のところは五人かしら?」
「そんなところですかね? とりあえず参加する人をメモっておきましょうか」
そう言って、さらさらとメモっていくアナ。
久しぶりに見た気がする茨木は、どうも楽しんでいたようで、色々な食べ物やお土産を持っていた。
「よし、じゃあ、とりあえず行きたいところを大まかに決めておきましょう。どうせ、時間がないと思うし」
エウリュアレはそう提案して、地図を開くのだった。
後少しで終わる……そして、メカエリちゃんを取るんだ……(錯乱