「……何をしようかしらね」
「……また本を貸そうか?」
ベッドで横になっているエウリュアレは、近くの椅子に座っているオオガミの左袖を引っ張りつつ言うエウリュアレに、困ったように笑いながらそばに置いていた本を差し出す。
「まぁ、それでもいいけど……いえ、何でもないわ。ところで、オーロラ鋼は集まったの?」
「うっ……それを言われると頭が痛いんだけど……まぁ、今日は酷く運が悪いので、明日に持ち越そうと思ってですね。なんで、休憩中です」
「ふぅん? まぁ、のんびり頑張りなさい。もしかしたらイベントで来るかもしれないしね?」
オオガミに渡された本を読みつつ、エウリュアレは言う。
それに対してオオガミは考えつつ、
「それは、確かに……でも、う~ん……まぁ、そもそも術の秘石ないし、仕方ないか……」
「……根本的にそれが足りないのになんでオーロラ鋼を集めているのかしら……まだQP集めてたら……?」
「う~ん……術の秘石を集め終わったら一気に上げられるようにしておきたいんだよね……」
「尚更QPが必要なんじゃない……? どうせイベントが始まったらそっちに集中してやらなくなるんだから」
「うぐぅ……何も言えない……」
自覚があるので、言い返せないオオガミ。
エウリュアレはその反応に苦笑いしつつ、
「まぁ、頑張ってね。私はここで寝ているから」
「……なんというか、駄女神になりそうな勢いだよね」
「ちょっと、どういう意味よそれ」
「いえ、別に……なんというか、このままだと食べて寝て遊んでるだけな感じ凄いよね……」
「それは貴方が私を放置するからじゃない? やることが無いなら、これしかすることが無いもの」
「なるほどねぇ……」
そう呟いて、どうしたものかと考えるオオガミ。
エウリュアレはぼんやりと本を読みつつ、
「正直、何か遊べるものでもあればいいと思うんだけどね」
「う~ん……ちょっと、王様に聞いてみるかなぁ……」
「何をしに行くのよ……」
「今はわりと機嫌良いと思うし、誘えば遊べるかなって。まぁ、怒られたら諦めよう」
「一体何で遊ぶ気かしら……」
本から目を話してジト目でオオガミを見るエウリュアレ。
オオガミはその視線から目を逸らしつつ、
「とりあえず、王様は色々と持ってそうだから、何か面白そうなのがないか聞きに行こうかなって」
「明らかに殺されるルートじゃない……無謀も良いところでしょ」
「まぁ、運が良ければ殺されないよ。大丈夫大丈夫。じゃ、行ってくる」
「ちょっと不安だから私もついていくわ」
そう言って、術ギルに突撃しにいくオオガミをエウリュアレが追いかけるのだった。
術ギルならわりと温厚なイメージ……実際どうなんだろ……