「マスター。どうしてこうなったのか、憶えているか?」
「もちろん。レイシフトが案の定変な所に飛ばしてくれた」
「そうだね。そして、ここは無人島みたいだよ?」
「オケアノス並みに恐ろしいんだけど。誰が助けてくれるのさ」
「そのための食料を調達するための釣り道具を集めているんだろう? さっさとやるぞ」
エルキドゥが見てきた結果、危険な生物はいない代わりに別の島も見えないという。
とりあえず、食糧調達のために釣りをしようという事になっていた。
メンバーは、オオガミ、巌窟王、エルキドゥ、土方の四人である。女性鯖がいないのは、オオガミが唐突に男性鯖だけで遊びに行こうと言い始めたのが原因だった。
「んで、枝は集めたが糸がねぇぞ」
「僕の髪を使えばいいよ。粘土だけど、耐久力は十分だよ」
「そうか。ならさっさと寄越せ。餌は巌窟王が採りに行ってるだろ」
「取ってきたは良いが、籠を忘れてたな……」
「あぁ、それなら作っておいたよ。これで餌入れはいいはず」
「流石はマスターだな」
枝に糸をつけて釣竿にしている土方と、すでに餌を取ってきた巌窟王に籠を渡すオオガミ。
エルキドゥはそれを見つつ、針を作っておく。
「さてと、これであらかた揃ったね。これで出来るかな?」
「まぁ、釣れるかは分からんがな」
「その時の運としか言いようがないだろう」
「最悪僕が海に飛び込んで取ってくればいいから、そんなに気張る必要な歯いけどね」
「うん。なら、気軽に行こうか」
そう言うと、それぞれが釣竿を持って海へと向かう。
「…………冷静に考えると、ミミズとかで海の魚って釣れるものなのかな?」
「大丈夫だろ。獣なんざ、食えるもんは大抵食う。安心してろ」
「すごい自信だね。いやまぁ、知らないから納得するしかないんだけども」
待ちながら、そんなことを話し合う。
釣竿はほとんど反応しないというか、素人すぎてどれが引いているのかが分からない。
「えっと、誰か引いてるのなら教えてほしいんだけども」
「任せろ」
「僕にも任せて」
「ふん。助けなんざいらねぇだろう。気合で何とかしろ」
「ひっじー辛辣ぅ……いや、出来るだけ頑張るけども」
「なんだひっじーってのは。馬鹿にしてんのか?」
「あ、ストップストップ。土方さんの攻撃力なら普通に俺が死ぬ」
「止めろ土方。別に変なあだ名をつけられることなど、よくある事だろう」
「つけられたことなんざねぇぞ。鬼の副長とは言われたがな」
「それは異名だね。というか、こいつにあだ名をつけて呼ぶのは中々勇気がいると思うよ? それこそ、死ぬつもりくらいの勇気が」
ちょっとふざけてあだ名で読んだら死にそうになるオオガミ。
巌窟王とエルキドゥが何とか収め、エルキドゥはオオガミに思った事を伝える。
「しかし、カルデアからの助けはいつ来るんだ?」
「夕方までには来るでしょ。まぁ、日が落ちる前に急造の寝床を作らないといけないかもだけど」
「その時は僕が何とかするよ。土方と巌窟王は火守が出来そうだから任せるよ」
「あぁ、任せておけ」
「ふん。カルデアに来てもすることになるとは思わなかったがな」
そう言って、四人はその後も釣りを続けるのだった。
救助は太陽が沈みかけた時に来た。
しかし、その時にはすでに大量の魚を手に入れ、食べている最中だったが。
まぁ、こんな日も悪くない。と思う四人なのだった。
釣りの表現は難しい……しゃべる事は無いですからね……
と言う事で、釣りを楽しむ(?)と男性鯖の話、ですね。マスター入ってますけど。
まぁ、男性鯖の話は今後もやっていきますけどね。女性鯖が主体でずっとやってましたし。