今日のカルデア   作:大神 龍

470 / 1263
よくそれで操作できるよね(場合によっては足を引っ張りあう事になる)

「ん~……どういうの作るか……」

「そうねぇ……とりあえず、ベッドよねぇ……というか、これすっごいやりづらいのだけど」

 

 二人で一つのコントローラを操作するというある種の縛りプレイ。

 戦闘はほとんどないゲームとはいえ、難しいことに代わりはない。

 今も、羊を追いかけるのに一苦労だった。

 

「……何奇っ怪なプレイしてるの……?」

「「二人一役プレイ」」

「……茶々、見なかったことにしよ」

 

 思わず茶々は見なかったことにして、二人とは違うゲームをやっていた。

 モンスターをハントするゲームも、もう夏イベントが始まっていた。

 

「むぅ……今回の追加、あんまり可愛くないんだけど。思わず伯母上を本能寺したくなるレベル」

「本気で殺しにいってるじゃない……っていうか、どれだけ悲しんでるのよ……」

「気軽に燃やされる本能寺よ……あ、木材確保しないと」

「あんまり高いと届かないから出来れば低い木がいいわ」

「……隣の二人を燃やした方が良い気がしてきた」

 

 オオガミのあぐらの上に座っているエウリュアレ。

 夏場で良くできると思いながら、とりあえずこの二人のところだけをあげてやろうかと企む茶々。

 ゲームも、別段違和感無く操作できている辺り、連携が取れているというか、流石は絆10と言うべきか。

 

「今更だけど、マスター遊んでて大丈夫なの? 宝物庫行かないといけないんじゃなかったっけ?」

「のんびりで大丈夫だから問題なし。むしろ、今やるとマシュが怒る」

「整理してる最中に物を増やされるんだもの。手が足りてないのに増やしたら、倒れるわよ」

「そこまで分かってて手伝わない精神凄いと思う」

「「仕事が増えるって言われた」」

「戦力外通告受けてたか~……」

 

 余計なことをしないのが仕事になっていた。

 よって、二人とも暇になった結果、今ここでゲームをして時間を潰しているのだった。

 

「よし、剣が出来たし、お肉を狩りにいこう」

「もうそろそろ夜になるのに? 寝てから行きたいのだけど」

「むむ。それは確かに……よし、じゃあ、とりあえず朝にしてから出陣しよう」

「操作難易度上がってる状況で普通にモンスターが湧く夜に出歩こうとするマスター驚きだよ。難易度設定一体いくつなの……?」

「ハード一択」

「それ以外にするわけないわ」

「うわぉ、無謀過ぎるよこの二人! どう考えてもアホの行動だよ!」

 

 ただでさえもやりにくい状況で、更に難易度を難しくしていく二人。

 オオガミとしては、簡単なのをやるつもりはなく、エウリュアレとしては、移動操作が自分なので、モンスターから逃げるか突撃していくかを決められるからだ。

 敵の強さをあまり気にしないオオガミと、オオガミを苦しませたいエウリュアレが合わさった結果のハード、ということだ。

 

「う、うぅ~ん……マスターがアホなのも、エウリュアレがなんかすっごい悪いこと考えてるのも分かった。よし、茶々は何も聞かなかったことにするね」

「そうね、そうした方が良いわ」

「え、変なこと言ったっけ……?」

 

 茶々の言っているのが分かっているエウリュアレと、全く分かってないオオガミ。

 そんな二人に、茶々は苦笑いになるのだった。




 二人で一つのコントローラを操作するのって、絶対難易度高いと思うんですよ……良くできるな、あの二人。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。