「ゴール! 伯母上優勝! 帰ってきたら吊し上げる!」
「本能寺ですか。本能寺するんですか茶々さん」
「あら、もしかしてマシュも危ない枠入りかしら……」
「そ、それはダメよ! マシュさんもこっちに来ちゃったら、誰が止めるの!?」
とはいえ、事実、マシュが危ない人枠に入ると、暴走組を止める人がいなくなるというのはあった。
「まぁ、アナがいるし、良いんじゃないかしら」
「なんだろう……それだと、エウリュアレだけ見逃されそう……それはダメだと思う……!!」
「じゃあ、マスター?」
「一番論外だと思う。だって首謀者だし。大体の犯人だし。新宿のお爺ちゃん並にダメ」
「先輩が酷い言われよう……でも、間違ってないから問題ないですね」
むしろそっちの方が問題の気がするが、マシュは大変錯乱しているのだろう。その事に気付かない。
「ん~……じゃあ、アナスタシア?」
「……それだっ!」
「でも、茶々さんの場合、氷で足止めされても溶かして逃げられるわね……」
「じゃあ、アナスタシアに加えてアナも加われば問題ないわ」
「それで良いんですか三人とも……」
自分の首を絞めている気がするが、三人とも自分の安全だけは確保しているので、もしマシュがこっちに来た場合、被害に遭うのはマシュだけだったりする。
「ん~……とりあえず、マシュの代用はそんな感じね」
「あ。今更だけど、ジーク君とかアヴィケブロンとかいるよね。あそこの扱いは?」
「……倉庫番?」
「裏方……?」
「事務と倉庫管理です……まぁ、私もはっちゃけるのは、こういうイベントの時だけにしておきますね。それ以外だと、お二人が大変なことになるので。まだ説明終わってないので、余計にですね」
「むむぅ……マシュもこっち側に来れば、向かうところ敵無しなのに」
「仕方ないわ。だって、いなくなられると本気で困る裏方、マシュだもの。二人に引き継ぎが終わるまではどうも出来ないわ」
「私もイベントが終わったらちょっとお手伝いするわね。聖杯を五つも貰って、今とっても調子が良いの」
「「「……聖杯?」」」
良く良く見ると、いつもより強そうなアビゲイル。エウリュアレはそれに覚えがあった。そう、聖杯によるレベルアップ。そして、オオガミは中途半端なレベルとかがあんまり好きではない。ということは、
「……レベル100かしら?」
「んなっ……!?」
「先輩……また勝手に……というか、今回のが一番問題なんですが! 聖杯無断使用なんて、良くやりましたね! どのタイミングでやったんですか!!」
「昨日イカ焼きを作っていたときに、代金と一緒に大量の種火とQPと一緒に渡されたわ。えぇ、消費するのが一苦労だったわ」
さりげなくレベル100になっているアビゲイル。
それを知ったマシュたち未聖杯組は、
「これはちょっと抗議してくるしかないですね」
「おーっ!」
「マシュは確か聖杯でレベルアップできないんじゃ……」
「それでは、行ってきます!」
「あぁ……行っちゃったわ……」
エウリュアレの言葉を一切聞かず走り出したマシュ達。
置いていかれたエウリュアレとアビゲイルは、走り去ったマシュ達を呆然と眺めるのだった。
あ、うちでは尾張の暴走ロケットが優勝しました。
ちなみに、アビーがレベル100になったのは、友人に唆されて悪のりした結果です。超満足してます(キリッ