「今は七夕! 短冊も笹もないけどね!! 伯母上風に、是非もなし!」
「笹……笹……これかしら」
「短冊は代用できるし、出来るんだけどね。ただ……」
「…………」
オオガミの視線の先には、なんとなく不機嫌そうに見えるエウリュアレ。
それを見た茶々とアビゲイルは、顔を見合わせた後、
「日本は良いところだけ持ってく文化だから、続行で!」
「私は大問題なのだけどね! でも面白そうだからやるわ!」
「そんな雑で良いのか信仰の祈り……!」
それを言ったら、いつもの様子も問題のような気がするが、深く考えてはいけない。
アイテムはアビゲイルが、設置は茶々がしていた。
そんな二人を眺めつつ、オオガミはエウリュアレの隣まで行き、
「信仰の方向性も、信仰地域も違うし、あんまり気にしなくて良いと思うけど。ギリシアも多神神話だし、どうかなって思ったんだけど。ダメ?」
「別に、問題ないわよ。私が不機嫌そうに見えるなら、目が腐ってるわ。取り替えてきなさい」
「まぁ、自分が主役じゃないのはあんまり好きじゃないだけだよね。でも、エウリュアレの場合、主役になりたいときとそうじゃないときがあるよね」
「いやちょっと待って。なんで私が主役になりたいとか思ってることになってるの?」
「え? 違った?」
むしろそれ以外あるのかとばかりの表情のオオガミ。
エウリュアレはため息を吐きつつ、
「違うわよ……いえ、まぁ、完全に間違っているわけでもないけど、今回は違うわよ。私としては、なんでもっと早く言わないのって思っただけだし。嫌って訳じゃないわ」
「んん……? じゃあ、普通に手伝っても良かったんじゃ……?」
「それはそれよ。私以外の神聖視されてるようななのに祈るような女神じゃないわ。分かる?」
「あぁ、なるほど。つまり、特に理由はないけど手伝いたくはないから若干距離を取ってたと」
「えぇ、大体あってるわ」
なるほど。とは言ったものの、良くわかってないオオガミ。複雑と言うかなんと言うか。
「それで、どうする? エウリュアレも書く?」
「そうねぇ……えぇ、書くわ。特に何を願うわけでもないけどね」
「願いがないのに願い事を書くと言う矛盾。いや、エウリュアレらしいのかな……?」
「私は普段どんなだと思われてるのかしら……」
短冊を受け取りつつ、呟くエウリュアレ。
オオガミはそれに気づいていないようで、アビゲイルと茶々に混ざって短冊に願いを書いていた。
エウリュアレはそれを見て苦笑いをしつつ、一緒に混ざるのだった。
神様とかによって、叶えてくれる願い事は変わるって、わちきどっかで聞いた……
そして、もうレースを見てすらいないという。
あと、エウリュアレの言葉が迷走してるんですが、何が言いたいんだろこれ……