「茶々は止まらぬ……屋台がある限り……!!」
「……でも、制覇してなかったっけ?」
「……茶々、もうダメ。伯母上許さん」
ノルマの如く恨まれるノッブ。
エウリュアレは苦笑いになるしかなかった。
「それで、何するの?」
「むぅ……なんか伯母上有利だし、許せないからあんまり見たくないんだけど、何とか伯母上が負けるのを見たい……どうにかならないかな!?」
「……マスターに直談判しに行ったら?」
「なるほど!! じゃあ言ってくる!!」
「え、本当に行くの? ま、まぁ、頑張って」
スタッフルームへ走り出す茶々。エウリュアレはそれを見送るが、おそらく適当にあしらわれて泣きながら帰って来るんだろうな。と思った。
「まぁ、かき氷でも買ってきてあげようかしら」
「では、アナスタシアさんの所へ向かいますか?」
「……えぇ、そうね。そうなのだけど……どこから出てきたの?」
「最初からいたのですが……」
「……あぁ、その、ごめんなさい普通に気付かなかったわ」
「い、意外と心に刺さりますね……」
おそらく今までは大丈夫だったのだろうが、オオガミと居たせいでメンタルが微妙に脆くなっているのだろう。全体的に。
ある意味、猛毒の様なマスターだった。
「昔はもっと強く当たってたと思うのだけど、なんというか、感覚が思い出せないわ……」
「私も昔の様な精神力はちょっと今持ってないみたいです……」
「……女神の神核が機能してない気がするのだけど」
精神が変化しないという効果は一体どこへ行ってしまったのかと思うエウリュアレとアナ。
だが、その原因はとりあえずマスターにあると決めつけ、とりあえずかき氷を買いに行くことにするエウリュアレ達。
「あら、来たの? 今日はまだ残ってるわよ」
「そもそも貴女が氷を作り続ける限り売り切れないと思うのだけど。とりあえず、イチゴとメロンで」
「あ、私は抹茶が良いです」
「分かったわ。少し待っててちょうだいね」
「えぇ、分かったわ」
そう言って、待っている間にレースでも見ていようと目を向けると、
「……あ、落ちた」
「落ちましたね」
真っ逆さまに落ちて行く橋と車。乗っていたサーヴァント達も一斉に落ちて行った。
「あ~……うん。まぁ、何とかなるわよね。楽しみだわ」
「ここからでもレース続けるんですかね? というか、簡単に落とせる橋っていうのも凄いと思います」
「あら、貴女もやろうと思えばできるんじゃない?」
「今の私では流石に。あそこまでの力は出ませんよ」
「そう……残念ね」
そう言って、アナスタシアに振り向くと、どうやらもう出来ているようだった。
「イチゴ、メロン、抹茶よね。合計450QPよ」
「ちょっと待ってね……はい。これでいいかしら」
「えぇ、大丈夫よ。また来て頂戴ね」
「そのうちね」
エウリュアレはイチゴを持ち、アナが残りの二つを持つ。
そうして、二人は元の席へ向かっていくのだった。
意外とこの観客席のノリが好きになってきた今日この頃。割といろんなキャラ出せて楽しい……