「ねぇ、ずっと思ってたんだけどさ、BBの宝具の注射器の中に入ってるのは素材だよね。全部奪いたくない?」
「先輩。その発想は無かったです」
休憩室で、ふと気付いたオオガミにマシュが驚愕の表情を向ける。
「よし。今からBBを奇襲しに行こうか」
「そうですね。叩き潰しに行きましょう」
「ストップストップ! BBちゃん的にそれはダメですよ!!」
「えっ。素材の為なら全力じゃろ? よくある事じゃ。犠牲となるが良い」
「完全に見捨ててますね貴方! 犠牲にしますよ!?」
「ふん。全力で抗ってやろう。儂は生き伸びる事に関しては一級じゃよ」
「そんなもの、私の力で何とでもしてあげますとも」
「卑怯じゃ! 儂はそんな力に屈しはせんからな!」
「くっころです? くっころですかそれ?」
「何も狙っておらんわ! つか、完全に儂に付きまとう気じゃろ!」
「別にそんなつもりはないですから。むしろセンパイに付きまとう方が面白そうです」
「BBさん? 許しませんよ?」
「アッハイ。って、いやいや。超最強AIである私が、なんで押されてるんですか。ここは一発ガツンと言って抗わないと!」
矛先があっちこっちに向くBB。
「というか、どうしてBBの宝具にはあんなに素材が使われてるのさ」
「いえいえ。別に、私は本当には使ってませんよ。詳細は伏せますけどね!」
「ふむ……じゃあ仕方ない、許すとしよう」
「先輩が許すのでしたら、私も武器を収めるとします」
「なんというか、正直このカルデアにいるのが辛くなってきたんですけど……」
「その程度で狼狽えるでないわ。これから先、メルトリリスが召喚されなかったら、マシュを止める手段が無くなるからな」
「信長さん! それだとまるで先輩がいない時の私は暴走してるみたいじゃないですか!」
「あながち間違っても無いと思うんじゃが……いや、マシュよ。何でもないぞ。儂は何も言っておらん。ほれ、BBは差し出すから許せ」
「ちょ、私を差し出すんです!? 何売り飛ばしてくれてるんですか!!」
悲鳴を上げるBB。ノッブの表情が真剣そのものなのが尚更怖い。
「よし。とりあえず、残念なことに残ってるミッションがBBの成長だけだからねぇ……種火を集めに行こうか」
「分かりました。BBさんは後衛配置ですね」
「うん。茶々を呼んで、一緒に行くよ。ネロもね」
それじゃ、行こうか。と言って、マスターは休憩室を出て行く。
残された3人は顔を見合わせ、マシュとノッブが嫌がるBBを引きずりながら休憩室を出て行くのだった。
あの中に入ってるアイテム、冷静に見ると本当にすごいんですけど。心臓とか爪とか入ってるんですけど…