「ふふん。ついにレベル140という大台だよ」
「私たちよりレベルが高いのに戦闘能力皆無なのよね。まぁ、指揮してくれているから助かるけどね」
「エウリュアレさんはひねくれないで思ってることを言えば良いのに。マスターおめでとう!」
現状の上限レベルに達したオオガミ。
それに対して、皮肉混じりに言うエウリュアレと、素直に祝うアビゲイル。
茶々は今、城を崩して手に入れた金塊を意気揚々と交換しに行ったので、今はいなかった。ちなみに、出来るかどうかは気にしていない。
「それで、レベル140に至った感想は?」
「うん。編成がほんのちょっと楽になった」
「あまり変わらないのね。でも、楽になったのなら良かったわ」
「ふふふ。もっとハッキリ褒めてもいいんだよ?」
「あまり調子に乗らないでよ?」
明らかに調子に乗っているオオガミを見て、注意するエウリュアレ。
アビゲイルは困ったように笑うが、すぐに気を取り直し、
「ねぇマスター。今回の高難易度もエウリュアレさんが一番だったし、次は私がメインでやりたいなって思うのだけど」
「ん? 何言ってるの。素材回収が終わったら、アビー単騎で攻略だよ?」
「……え?」
唐突な単騎運用宣言。
突然の事過ぎて、半ば放心状態になったアビゲイルだったが、言葉の意味を理解すると同時に両手を振り上げて喜びを表現する。
「やったー! 単騎運用! いきなりはビックリしたけど、私はやったのよーー!!」
満面の笑みで走り回るアビゲイル。一緒に触手も荒ぶっているところを見るに、余程嬉しかったのだろう。
「いやぁ……ここまで喜ばれるなら、もう少し早く機会を用意しててもよかったかも?」
「貴方、ノッブも同じくらい叫んでた気がするのだけど?」
「それはそれ。ノッブはノッブ、アビーはアビーだよ。適材適所。相性の問題だよね!」
「ハッキリと言うわね……というぁ、ちゃんと相性を考えてたのね。何も考えていないのかと思ったわ」
「酷い言われよう。ちゃんと考えてるって。エウリュアレは男性相手に出して、アビーはバーサーカーが大量に来たときに最終防衛ラインとする。完璧だね」
「ごめんなさい。めちゃくちゃ大雑把だったわ。このマスター、あまり考えていないもの」
呆れたように首を振るエウリュアレ。
とはいっても、そのおかげで自由なところもあるので、本気で否定する気はない。
そんなところに響く声。
「茶々、再び!!」
テンション高めに登場する茶々。
その手にはお金が入っているであろう袋。
「マスター! ちゃんとやって来たよ!」
「ナイス茶々! よし、町に食事処を探しに行こう!」
「「おー!」」
「あ、ちょ、私もついていくからね!」
どんどんと進んでいってしまうオオガミ達を、エウリュアレは追いかけるのだった。
ついにレベルカンスト。しかし、これはきっとFGOマスターの第一歩なんでしょう……きっと、たぶん。