「茶々復活!!」
「バーサーカー! 倒さないと!」
「圧倒的理不尽感」
「マスター。あの二人を止めてね。私は遠くから見守ってるから」
「巻き込まれて即死の予感」
どうあがいても死。茶々バーニングで死ぬか、アビゲイル触手パンチで死ぬか、エウリュアレアローで彼方へ飛ばされるか。
どれにしろ、重傷は免れないだろう。
「ん~……まぁ、微笑ましい部類だから大丈夫じゃない?」
「そうかしら。どっちも危ない気がするのだけど」
アビゲイルの触手を、本人もよく分かってない理論で出る炎で焼いたり刀で切ったりしていた。
その影響で地面に落ちた触手をオオガミは拾うと、
「……今更だけど、タコっぽいよね」
「食べたらお腹を壊すと思うのだけど」
「ん~……臭い的に食える気がする。食べる?」
「流石に食べようとは思わないわよ……」
「そう? エウリュアレなら女神の神核で大丈夫そうだけど」
「食べれるのと食べたいのは違うの。分かる?」
「分かるけど分からないことにしておくね!」
「無理に食べさせに来たら殺すからね?」
珍しく目が本気だった。
なので、強行は死を招くと確信したオオガミは、諦めて今日カルデアに送る荷物の一番下に入れるのだった。
「え、ちょ、待って待って。今どこにしまったの?」
「持ち帰る荷物の一番下」
「堂々と言うじゃない……私も怒る時は怒るわよ?」
「ふふん。別にエウリュアレに怒られても、三日間食事が喉も通らないくらいに凹むだけだし。大したダメージじゃないね!」
「致命傷レベルよね、それ……」
ドヤ顔で言い放つオオガミに、叱っていたエウリュアレも流石に困惑する。
しかも、言っている本人はさも当然のようにしているため、自分がおかしいのかと疑いたくなるレベルの困惑だ。
「あ、あぁ……えっと……本気で凹んでる……?」
「そんなわけ無いじゃん! そう簡単に凹むと思う?」
「…………」
次の瞬間繰り出される蹴り上げ。それは見事にオオガミの頭にぶつかり、綺麗な弧を描きながらオオガミは宙を舞った。
ドサリと音をたてて地面に落ちたオオガミを見て、エウリュアレは少し冷静さを取り戻したのか、
「あぁ、証拠隠滅しないとよね。とりあえず火葬すれば良いのかしら」
「ぶはっ! げほっげほっ! 死んだことにされたっ!」
「あ、生きていたの? じゃあ、念入りに殺しておかないとよね」
「あ、ヤバイ。錯乱してるよこれ。とりあえず逃げとこっ!」
満面の笑みで弓を引き絞るエウリュアレを見て、オオガミは逃げ出すのだった。
なお、アビゲイルと茶々が二人に気付くまで続くのだった。
うぅむ、最近エウリュアレが暴れてる……そろそろ狂気に飲まれてきた……?
そして、茶々が空気なのはわりとよくあること。