「ふぅ……酷い目に遭った……」
「本当に無事で帰ってきたのかっ!」
「開幕酷い言われよう!」
驚愕の視線でジークに見られたオオガミは、想定外過ぎて半泣きになる。流石のオオガミも、純粋な言葉には弱いらしい。
「なんというか、想像通りだけど、信じたくないわよね……」
「マスターの人外っぷりが加速してるわね……」
「先輩。いつになったら人間になるんです……?」
「最初から人間ですけど!?」
まるで最初から人間ではなかったような言われように驚きを隠せないオオガミ。
マシュ達が、『またまた。ご冗談を』とばかりの笑顔を浮かべているので、ジークも人外説を信じそうになっていて不安しかない。
「はぁ……なんというか、どんどん人外みたいに言われている……」
「事実、スペックがぶっ壊れてるじゃない。体力とか、色々と」
「否定できないのが悲しい……」
「ふと思ったのだが、これが普通だったりはしないんだな?」
「これが普通だったら英霊の立つ瀬がないのだけど」
「英霊に匹敵するの、本当にどうかと思うの」
「英霊に匹敵するマスターとは一体……」
とはいえ、言っているジークもジークだったりするのだが、それはそれ。気にしてはいけないのだ。
「そういえば、マスター。もう料理とか作らないの?」
「え? おやつは作ってたはずだけど……」
「えっ?」
「えっ?」
「え、私、食べてないのだけど……?」
「んん……? エウリュアレ……?」
「……私は知らないわ」
「彼女は受け取った後隠れて全て食べた後、片付けていたが」
「ちょ、見ていたの!?」
「エウリュアレ~?」
「わ、私のおやつは食べられてしまっていたのね……?」
しくしく。と泣いているアビゲイルを見て、少し苦い顔になるエウリュアレ。
そして、エウリュアレはオオガミの方を見て、何とかしろと言わんがばかりの視線で見てくる。
「あ~……ん~……トゥリファスで手に入れてきたのがあるし、クッキーでも作りますか。アビー、手伝ってくれる?」
「むぅぅ……分かったわ。とはいっても、何をすればいいのかしら?」
「とりあえず、ミレニア城塞にもう一回かな……器具がね……揃ってるからね……」
「分かったわ。私のクッキーの為に、レッツゴー!」
「そういえば、俺の宝具レベルがまだMAXじゃないな……素材が不足しているのなら、ついでに手に入れて来ようか」
「エウリュアレさんも行ってきますか?」
「うぐっ……えぇ、行くわよ。大体私のせいだしね」
アビゲイルが開いた門に、次々と入って行くオオガミ達。
それを見送ったマシュは、
「次のイベントでは私も参加できますかね……」
そう呟くのだった。
実はひっそりと終わってないジーク宝具アップ。残るはヒポグリフとチョーク。ともに200……さっくり終わるはずだったんですけど……