イベント終わってまたイベント(結局取り終わってないじゃないのよ!!)
「……ねぇ、アホなのかしら。私たちのマスター、アホなのかしら」
「すごい今更だと思うのだけど、何も考えてないだけだと思うの」
真剣な顔で言うと、苦笑いで答えるアビゲイル。
現在オオガミは夢の中。結局幼角が4つほど取れなかったことに文句を言おうと思っていたのだが、夢の中へと逃げられてしまったので不満なわけだ。
「はぁ……全く、いつもの如く夢の中とか、ふざけているのかしら」
「まぁまぁ、特定するまで待ってちょうだいな。すぐに見つけるわ」
「シャドウ・ボーダーで探すより、アビゲイルさんの方が早い気がするんですが、なんでですかね……」
不思議と遠い目をしているマシュ。何かアビゲイルに言いたそうだが、あまり触れない方が良さそうなので、見ないことにする。アビゲイルに至っては忙しいフリをして誤魔化していた。
そして、しばらくの無言。その状況に最初に耐え切れなくなった私は、
「今、マスターって何してると思う?」
「そうですねぇ……電力持って行かれてるみたいですし、戦闘してるんじゃないかと」
「なんで電力を持って行かれてるのは分かるのに、どこで戦ってるかは分からないのかしら……」
「私も追っているのだけど、難しいわ……」
「まぁ、見つけなくてもそのうち帰って来そうですけど」
「……否定できないわね……」
意気消沈しているマシュ。なんというか、壊れ気味なのだが、誰か彼女を救えないのだろうか。
それはそれとして、今は失踪したオオガミの事だ。肉体はシャドウ・ボーダーにあるが、中身が無いに等しいわけだ。
「とりあえず、先輩の顔に落書きしておきましょうか」
「名案ね。採用しましょう」
「マスターの体に落書きするのは私の役目ね!」
「上半身だけよ?」
「と、当然でしょっ!?」
少し目が泳いでいるような気がするが、きっと気のせいだろう。流石に私も悪魔ではないので、追及はしない。
後、隣でマシュが少し楽しそうにしているのも、気にしないことにする。
「それで、ペンは?」
「ここに、全12色のカラーペンを持ってきました」
「なんで用意が良いのかしら、この娘」
平然と用意しているマシュを見て、戦慄する。明らかにこのために持ってきたと言わんがばかりの表情がまた凄い。それだけオオガミに恨みがあると思うべきか、単純に偶然だったと思い込むべきか。そこが悩みどころだ。
「ま、まぁ、とりあえずは、そうね。何を描くのか決めましょう。でないとほら、きれいじゃなくなるでしょう?」
「それもそうですね……じゃあ、計画しましょう。紙は偶然持ってます」
「絶対偶然じゃないでしょ……」
「楽しみね。頑張るわよっ!」
「アビーもそこでやる気を出さないで探す方にやる気を割いて欲しいのだけど」
顔が引きつっている気がするが、ともかく、オオガミの平穏は後少しだけ守られるだろう。起きた時にはきっと落書きまみれだろうが。
そう思い、私も落書き案を作るべく二人の間に入って行くのだった。
珍しく一人称視点。エウリュアレ視点ですが、最初は三人称で書いていたので文章がおかしいかもしれないです。
それはそれとして、アヴィケブロン先生、約三時間なんですがそれは……