「先輩……戻って来たんですか……?」
「当然。とは言っても、またすぐに戻るけどね」
「そうなんですか……」
少し寂しそうなマシュ。
昨日、通信を繋げたいだのなんだのと言っていたが、結局直接会いに行くオオガミ。
ちなみに、エウリュアレとアビゲイルは二人でワイバーンとドラゴン狩りに精を出している。
「まぁ、本当はもうすぐイベントが終わるし、そのうち帰って来るんだけどね」
「えぇ……じゃあなんで帰って来たんですか」
「それは、ほら。最近全然マシュに会えてないと思って」
「……それだけですか?」
「え、あ、うん。そうだけど……」
そう言うと、複雑そうな表情になるマシュ。嬉しいが、それはそれとしてちゃんと周回してほしいというのが見て取れる。
「それで、先輩。ふと気づいたんですけど、どうやって戻るんですか?」
「……あ、アビー……?」
「連絡って、どうするんでしょう?」
「……あれ、これって、エウリュアレとアビゲイルを置いてきた感じ……?」
やってしまったと気付いたオオガミ。
だが、冷静に考えると、アビゲイルに関しては平然と出てくる気がしてならない。
とはいえ、エウリュアレを放置すると殺されかねない。なので、意地でも戻る必要があるわけだ。
「ぐぬぬ……どうするべきか……」
「令呪を使うとかですかね?」
「むぐぅ、令呪の使い方よ……連絡手段が無いから使うとか、アリなんだろうか……」
「いえ、その、先輩は特殊じゃないですか。一日一画令呪が回復しますし……」
「だからって、無駄遣いするのはどうかと思うんだけど……」
「日が変わる寸前なんですから、割と無駄遣いしても良いと思うのですが。少なくとも、石を一気に削るのよりはマシかと」
マシュの言葉がグサリと刺さるオオガミ。事実、今回も石を投げ捨てていたりするので、普段よりも突き刺さる。
「ぐぎぎ……令呪、使うかぁ……」
「はい。そうしてください」
「こういう使い方、アリなのかぁ……令呪を持って命ず。来い、アビゲイル!」
一画、薄くなる令呪。それと同時に、門が開いて飛び出してくるアビゲイル。
出てきたアビゲイルはドヤ顔で、
「意外と早かったわね、マスター」
「うん。早かったのはそうなんだけど、そのドヤ顔の理由が凄く知りたい。どうしてそうもドヤ顔が出来るのか」
妙に自信満々なアビゲイルが不思議でならないオオガミ。
しかし、アビゲイルを呼んだのは良いが、エウリュアレが今どうしているのかがとても気になった。
「とりあえず、急いで戻るね。まだ素材の交換も終わってないし」
「えぇ、頑張ってくださいね、先輩」
マシュはそう言って、アビゲイルの開いた門に飛び込んでいくオオガミ達を見送るのだった。
流石にネタ切れが激しくなってきた今日この頃。三蔵ちゃん、辛すぎて素材収集が全然できない……