育成は重要だと再認識した(それもそうですけど、私の出番はまだでしょうかっ!)
「さて、召喚出来る出来ないは別としても、今回みたいに限定召喚の場合でも、育成不足は地獄を見るというのが分かったから、種火集めだよ」
「そうですね。育成は重要です。ところで先輩。私の出番はまだでしょうか」
「予定は無いね!」
「そんなっ!?」
言い切られ、ショックを受けるマシュ。
オオガミは少し考えた後、
「だってほら、なんだかんだマシュ強いし」
「……嘘ですよね……私が弱いからですよね……」
「おっと。マシュが疑ってくるんだけど、なんでだろ?」
「マスターの普段の行いの結果だと思うわ」
「因果応報って奴か……!!」
隅でいじけるマシュを見て、罪悪感が強くなるオオガミ。
隣のアビゲイルの視線もあり、どうするべきかと必死で考える。
「ま、まぁ、マシュにはずっとお世話になってたからね。出来る範囲で頑張ってもらおうと思ってるんだよ」
「うぅ……本当ですか……?」
「うんうん、本当本当。マシュは最強だしね。ただ、通常時は流石に無理かな」
「むむ……仕方ありませんね。私は先輩のサーヴァントですから、重要な時に精一杯頑張れるように待機してますねっ!」
「うん。お願いね」
すぐに立ち直るマシュ。今日はなんとなくテンションが高い気がするのだが、何かあったのだろうか。
心当たりは種火の話を始めた事しかない。いや、それが原因なのだろうか。
「と、とりあえず、種火集めだ。行ってくるね、マシュ」
「はい。行ってらっしゃい、先輩!」
「頑張ってね、マスター」
見送るマシュとアビゲイル。
そこで、ふと疑問に思うマシュ。
「アビーさんがここにいるのに周回……? 誰と行っているんでしょう……」
「限定召喚は継続中だと思うのだけど。つまり、そういうことだと思うわ」
「なるほど……」
「そうそう。だからついにオレもお役ごめんって事だ」
マシュの背後から出てくるアンリ。
それに驚いたマシュが何かを言う前に、アンリが答える。
「なんでここにいるかって? 分かってるくせに。アナスタシア開放した後すぐくらいに再召喚されたんだっつの」
「アンリは立ち去ってすぐに召喚されるっていうのは、もはやギャグだと思うの」
「あれだけ嫌だと言っていたのに戻ってくるんですね……」
「うるせえ。コイツまで戻ってきてるとは思わねぇだろ。冷静に考えれば分かったことだけども」
「ふふっ。アンリは変なところで抜けてるわ」
「マスターもマスターだって。即座にオレを召喚するとか、どれだけオレに苦労かけたいんだっての」
「あら。次からずぅっと戦闘参加かしら?」
「それは嫌なんだがなぁ……」
アンリはそう言って、深くため息を吐くのだった。
さりげなく宝具レベルが2になったアンリ。この後も、アンリはきっと大変な目に遭うのだろう。三人はそれぞれ別々の気持ちで、そう思うのだった。
さりげなく宝具レベル2になっていたアンリ。一体どうしてこうなったのか……まぁ、再召喚だから問題ないですねっ!(キリッ