「ふん。まだ余裕だな」
「礼装ガン積みとはいえ、一撃で消し飛ばすのは流石の一言だよ……」
「強すぎるわ……私もあんな攻撃してみたいわ……」
流石アマゾネス。強いカッコいいという、最強な感じがまた良い。
「まぁ、私じゃなくとも出来るだろうさ。今回はたまたま、相性が良いのとNP回収が出来ただけだ。次を待っていろ」
「うぅ……そうね、バレンタインの時は私が頑張ったものね……じゃあ、仕方無いわ。頑張ってね。エルバサさん」
アビゲイルはそう言うと、そそくさと遠くで倒れているアンリのもとへと向かっていく。
なんだかんだ、アビゲイルは何かとアンリのところに行くので、本気で嫌っていたりはしないらしい。
「しかし、意外と行けるものだよねぇ……うぅむ、攻撃力合計450%アップの恐ろしさよ……」
「あそこまで出るとは思わなかったからな。自分でも驚いているよ」
「バフが乗ってるとは言っても、流石にここまで出ると、なんというか、スカッとするよね」
「そうだな。これは中々、爽快だ」
「ただ、リンゴが少なくなってきたんだよねぇ……」
オオガミの呟きに、エルバサは頷く。
このまま周回していても、リンゴが足りなくなる。実際には金と銀のリンゴは70個以上。銅は170個以上はある。
だが、もう少し余裕を持っていたいのは、勿体無い病と言うやつか。
「ふむ、銅の果実なら使っても良いのではないか?」
「ん~……そうだね。消費速度は凄いけど、まだある方だからね」
「ただ、食べるのが辛いな……」
「……ジュースにするとか……」
「体積が増えて、更に飲み物にした分、重くなるのでは……?」
「……いや、キューブ状のアイスにするとかどう?」
「どうやって凍らせるつもりだ?」
「それは……うぅむ、どうするか……」
考えるが、思い付かなかったので、諦める。
「ぐぬぬ……結局地道に食べるしかないのか……」
「まぁ、イベントの時は死ぬほど食べているからな……消化が早いと言うのか、それとも腹持ちが悪いと言うのか。果たしてどっちだろうな?」
「あはは……腹持ちが悪いってのを推すよ」
「そうか。まぁ、喰えなくなったら喰わせてやるからな。安心して喰うと良い」
「何と言う強制食事……死んじゃうわそんなの」
「なら、頑張って食べるんだな」
「チクショウ。八方塞がりじゃん……」
食べると倒れ、食べれなくなったら食べさせられる。どうあがいても食べ過ぎな未来が見えた。
「まぁ、素材が集まるまでの辛抱だ。頑張れマスター」
「うぐぐ……仕方あるまい……」
そう言うと、オオガミは銅リンゴを食べ始めるのだった。
そのうちリンゴを10秒チャージしてそう……