「あ~……今日はもう疲れた」
「そうね。私ももう寝ようかしら」
ふあぁ……と欠伸をするオオガミとアビゲイル。
それに釣られて欠伸をしかけたマシュは、それをなんとか押さえ込むと、
「お二人とも、寝るならちゃんとタオルケットをかけて寝てください。夜は冷えますし、油断大敵です。特にマスターは風邪を引いたらこっちにまで支障出るんですからね?」
「うぅ~……マシュがお母さんとかお姉さんとか、そんな雰囲気なんだけど……」
「叔父様みたいだわ。なんだか、眠くなってきて来ちゃったわ」
「分かりましたから、タオルケットはちゃんとかけて寝てくださいね? 良いですか先輩」
「ぐぐぐ……まぁ、一応冬だしね……そもそも季節感を失いそうな勢いではあるけども」
「冷静考えると、そもそも地域によっては季節がバラバラですからね……一方では冬でも、反対は夏ですから」
「うん……で、ここの季節は?」
「……それは聞いちゃいけない所です。ですが、夏でもかけておかないと、どの道風邪を引くかと」
「まぁ、確かにそうだけども……うん。とりあえずタオルケットを用意。これで寝れるね」
「最初から用意してたんですか……」
平然とタオルケットを取り出したオオガミに、マシュは苦笑いになる。
「マスターは、意外と用意が良いのね。ところで、そのタオルケットは何処から取り出したの?」
「それは秘密というものだよアビー。どこから出てくるだなんていう、つまらない事は言っちゃいけないんだよ」
「そ、そうなのね……ごめんなさいマスター」
「うんうん、次から気を付ければいいんだよ。大丈夫大丈夫」
「待ってください先輩。私は普通に気になるんですけど。そういう隠し芸うまいですよね。どうやってるんですか?」
「おっとマシュ。それ以上はいけない。全力の逃走術を見せる事になるよ」
「ぐっ……ハロウィンの時には一度煮え湯を飲まされてますからね……ですが、次はありませんからね」
「ふっふっふ……残念だったなマシュ。今の私には別の逃走手段がある!! 見せてあげよう!!」
タオルケットでアビゲイルを包み、抱え上げるオオガミ。
何をするかと身構えたマシュは、しかし。次のオオガミの行動に目を見開く。
「礼装身代わりの術……!! まさか目の前でやられるとは……!! というか、なんでリミテッド/ゼロオーバーを選んだんですか!?」
当然、声は返って来ない。
更に言えば、オオガミだけでなく、アビゲイルまでいなくなっていた。自分以外も連れて行けると誰が想像しただろうか。
「大方、この前のハロウィンの後から練習に練習を重ねていた上に信長さんたちの目に留まり色々と助言をいただいた結果と見ました……どこに逃げたんですか先輩!!」
マシュはそう言って、オオガミを探しに行ってしまう。
実際、オオガミはすぐ近くの物陰に隠れているだけなのだが。
「……そう言えば、どうしてこんな話になったんだっけ?」
「分からないわ。でも、マスターのことは私が守ればいいわ。さぁ、寝ましょう? マスター」
「うん。おやすみアビー」
二人はそう言って、寝るのだった。
私の眠いという気持ちが反映された結果こんな事に……あ、アイテム交換は終わったので、現在は手稿を集める作業です。回すぞ~!!