「最近、見ているだけなのが多くなってきて、危険はないのは良いことなのですが、お役に立ててないような気がしてならないんですが」
「別に良いんじゃねぇの? マスターは戦わせるつもりは欠片も無いようだし。問題ないだろ」
「それでも、役に立てないのはどうかと……」
「アンタ、面倒な性格してるねぇ……」
マシュが不満そうな顔をして、やれやれと首を振るアンリ。
「それにしても、面倒なイベントだよなぁ。どんだけ回す気なのかねぇマスターは」
「さぁ……? でも、少なくとも両方50箱開ける勢いだと思いますけどね。それだけ集められるかという疑問はありますけど」
「うっへぇ……合わせて100箱は集めるつもりなのかぁ……こりゃ休める気がしないね」
「まぁ、いつもそこまで集めないで終わりますし、今回もそうなる可能性の方が多い気がしますけどね」
「でも、やるつもりではあるんだろ? でも、それならここで時間潰してて良いのかねぇ……マスターはどっか行っちまったし、周回は止まってるし」
「そうなんですよね……毎度頑張るって言って、休憩して結局集められないというサイクルです」
「ははぁん? つまり、なんだかんだ言って結局休みが多いわけだ。なら、まだ頑張れる気がするね」
「そんなに気張る必要無いですしね。基本前衛の方々が頑張ってるのが多いですし」
「ま、オレはあまり出番がないわけか。そりゃ良いことだ」
ニヤリと笑いつつそう言うアンリに、苦笑いを向けるマシュ。
「それにしても、本当に暇だねぇ。ちょっと遊んでみるかい?」
「遊ぶ……? 一体何をするつもりですか?」
「なぁに。ちっとだけ戦うだけさっ!」
「っ!」
寸でのところで回避するマシュ。
笑いながら襲撃してきたアンリに困惑するマシュは、
「何をするんですか!」
「ハハハ。何、ちっと体を動かすだけさ。加減はする。かわしてみなっ!」
そう言って、再び振るわれる刃。
しかし、
「あら? 何か、面白いことをしてますね?」
現れたBBちゃんに止められるアンリ。
「うへぇ……もう来たのかよ」
「アンリさん、ダメですよ? マシュは私が貰うんですから報復、終わっていませんし」
「ん~……こりゃ遊べるような相手じゃないねぇ。むしろ遊ばれそうだ。諦めて降参しますよ~」
両手を上げて降参のポーズを取るアンリ。
BBはそれを見て不吉な笑みを浮かべると、
「じゃあ、ちょ~っと向こうまでついてきて貰いましょうか。別に何も企んでないので安心してくださいね」
「嫌な予感しかしないんだけども……オレはまだ死にたくないぞ~」
冗談っぽく本気で言うアンリ。BBはそれを無視して引きずっていく。
「……なんでBBさんが真っ先に駆け付けてくれたんでしょうか……?」
二人に置いていかれたマシュは、困惑しながらそう呟くのだった。
冷静に考えると、マシュの戦闘性能皆無ですよ。盾持ってないじゃん。ということに気付いて、防御じゃなく回避に変更。危うくマシュ死んでしまうところだった……