「おいおいお~い。マスター、オレは召喚されたときに言ったように、最弱なんだぜ? しかもレベル1のままだから、まさに最弱! さてはイジメだな?」
「別にそんなつもりはないけども。というか、まだ一回も前線に出してないよ」
妙に得意気な顔をしているアンリに、オオガミはため息を吐きつつ言葉を返す。
「いやいや。前線に出なくても、メンバーに入れられてるだけでもプレッシャーかかるんだぜ? 頼られたら困るじゃん?」
「もうすでにそのコストに救われてるけどね? 礼装持ってくれてるだけで助かるし」
「なるほど、荷物持ちか。それはそれで面倒だねぇ。出来れば、オレは何もしなくていいのが良いんだけど」
「後ろで見ていてくれるだけで良いんだけども。レベルはそのうち上げるから……」
「おっと。別にオレに貢ぐ必要はねぇぜ? その方が無茶振りさせられなさそうだし」
「うん。まぁ、渡すけども」
「おっと。オレの話を無視するとは流石だなマスター。鬼だなあんた」
「ふふん。人の話を聞かないことに定評があるからね。そのうち頑張ってもらうことがあると思うからね」
「あららぁ……地雷踏んじまったかね? このマスター、
苦い顔をするアンリ。オオガミのドヤ顔は、なんとなく殴りたくなるものがある。
しかし、ここは自制するアンリ。いつか倍返しの時が来るはずだと予感して。
「まぁいいや。なんにせよ、選ぶのはマスターだからな。で、見守ってるだけで良いのか?」
「うん。戦闘はBB達がやってくれるからね」
「ふぅん? まぁ、オレは言われたことをこなすだけなんだけどな。しっかり見守る仕事は全うするぜ~」
「最後のだらけた感じはいらないでしょ絶対。不安になるわ」
言葉使いを指摘してくるオオガミに、アンリはやれやれと言いたそうな表情でこたえる。
「別にその程度気にしなくてもいいだろ~? てか、オレばっかりに構ってて良いのか? 周回あるんだろ?」
「むっ……まぁ、行くけども……なんとなく逸らされた感があるんだけど」
「気のせいじゃねぇの? オレはマスターのためを思って言ったんだし」
「うぅむ、それなら良いんだけども。なんにせよ、とりあえずは周回。アンリも来るんだからね?」
「おうさ。ちゃんとついていくぜ? 召喚されて初のイベントだ。どんなもんか、見てみたいじゃねぇの」
楽しそうに笑うアンリに、オオガミは若干不安になりつつ、BB達を呼びに行く。
ちなみに、アビゲイルは不良娘に変わっていた。後ろから出ている触手を見ればそれは明らかだった。
アンリは1/4に参戦ですね。メルトのために種火を貯めている私には渡せる種火がない……!!