今日のカルデア   作:大神 龍

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ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊
ボックスガチャは嬉しいけど、ボックスの中に石がないのはどうかと思うわけですよ(交換所だと個数限られるんですけどっ!!!)


「いくら復刻でも、最新ストーリーが決死の脱出をしている最中にやるのは、流石だと思うよ。うん。判定的には回想か走馬灯か。どっちがいい?」

「回想……ですかね……?」

「それだと、私がいる事が不自然になってしまうわ。でも、そうすると不思議ね。あ、夢と言うのはどうかしら?」

「あぁ、それが一番かも」

 

 アビゲイルの発案に納得する二人。

 夢ならば問題ない。ちょっとアビゲイルが不良っぽくなってるのも、夢なのだから問題ない。

 

「じゃあ、ここからは夢という事で」

「誰に向けての宣言なんですか……」

「宣言は大事だよ、マシュ。それだけでフラグが立てられることもあるんだから」

「何と言いますか……今日の先輩、いつもと雰囲気違うような……?」

 

 今回はだいぶメタ要素が多いのが原因かもしれないが、現在の復刻がぐだぐだの雰囲気を感じるので、現在車内にはセルフぐだぐだ粒子が蔓延(まんえん)していたりする。

 

「それで、今回はどうするの?」

「もちろん、バーサーカーを懸念して本音としてはやるつもりのなかったアビー育成計画です」

「種火ね!? 種火がもらえるのね!?」

「メルトリリスさんの為の種火だったのでは?」

 

 オオガミの計画に、別々の反応を返す二人。

 当の本人は、明後日の方向を見つつ、

 

「今回アビーに渡す分は、プレゼントボックス内に眠ってる『×1』金種火だから……大した量じゃないんだよ……」

「そうなの!? どうしてくれないのよマスター!! 私、頑張るわ!!」

「周回はしてもらうけど、不良レベルの上昇が怖い……」

「状態を一段階目で固定していればいいのでは……?」

 

 言いながらも、すでにアビゲイルの再臨段階が上がっているので、それと共に若干不良具合が上がっていた。

 手遅れとは思いつつ、マシュは提案してみる。

 

「まぁ、そうするつもりだったんだけどね。とりあえず、最後まで行ったら変更しようかと。それまではたぶん変更しても自動変更はいるはずだし」

「いいじゃない、姿なんて!! 早く再臨したいわ!!」

「うぅむ……じゃあ、そのための周回するよ」

「わかったわ!! このレベルでも十分戦えるのが分かったから、頑張るわ!!」

 

 そういって、準備をし始めるアビー。

 その熱意にマシュは、

 

「すごいやる気ですね……」

「ん~……まぁ、比較的やる気がある方だよね。ただ、昔のノッブを思い出すんだよねぇ……」

「あぁ……そういえば、確かに前は前線に出たいと(しき)りに言ってましたもんね。いつから言わなくなったんでしたっけ……」

「え~っと……思い出せないな……でも、ハロウィン前には言わなくなってたような? ネロ祭り前後かな……?」

 

 ぼんやりとした記憶。

 そんなことを思い出していると、支度を終えたアビゲイルが、

 

「行きましょうよマスター!! 冒険よ!!」

「えっ、ちょ、本気ですかアビー……!?」

 

 拒否権はなく、連れていかれるオオガミ。マシュはそれを、ただ呆然と見送るだけだった。




 いやぁ……本当に、最新ストーリーで全力逃走してるのに、復刻を平然とやり始めるという、『私はどの世界線にいるんだ』現象ですよ。摩訶不思議……

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