「先輩、起きてきませんね……」
「マスターだって人間だもの。疲れることはあるわ。特に、精神的に」
「……まぁ、目立った事件もないですし、問題ないですね。ゆっくりさせてあげましょう」
そう言って、緑茶を飲むマシュ。
アビゲイルもそれを見て飲んでみるが、苦くて舌を出す。一緒に出ている和菓子を食べても、口の中の苦さは若干残っていたりする。
「マシュさん。どうしてそんなに普通に飲めるんですか?」
「やっぱり苦いですか? うぅ~ん……信長さんがいれるとナーサリーさん達にも人気なくらいおいしいんですけど……」
「そうなの? むむむ……私も飲んでみたいわ……」
「早めに召喚出来るようになれば良いんですけどね……ただ、信長さんの茶室は無くなってしまいましたし、お茶をいれるには召喚した後もしばらくかかるんじゃないかと」
「お茶をいれるための部屋があるの!? びっくりだわ! どんな部屋なのかしら!!」
「確か写真があったはずです。見てみますか?」
「見るわ! 他にも写真は無いかしら?」
ぴょんぴょんと跳ねながら、写真を催促するアビゲイル。
マシュはその姿を見て、何処にしまったかを思い出す。
「たぶん、ホームズさんが回収してくれてるはずなんですけど……」
「私も一緒に探すわ! 二人で探した方が早いはずよ!」
「はい。お願いします」
そう言って、ホームズが回収してきた荷物の中からアルバムを探し始める二人。
意外とサーヴァント達が置いていったものが目立つが、今は置いておく。
「見たことないのがいっぱいね。これは何かしら?」
「それは……確か、信長さんが作った懐中電灯だったかと。手回し発電機付きで、電池が無くても再利用できるので、何かと便利な物ですね。まぁ、作った原因は何か企んでの事だと思いますけど」
手回し発電機の他に、つまみがついていて、回すとライトの色を変えられるという遊び心付きの懐中電灯。他にも、ライトの明るさも変えられたりする。
作った理由は、手元に明かりが欲しいというだけの、意外にも普通としか言えない理由だったのだが、いつの間にか遊び心が加わり、気付いたらサイズが大きくなってしまい、どう処分しようか悩んでいたところ、その利便性から休憩室に置かれたアイテムだったりする。
ただ、最終的には『バックライトにするために巨大化しても良いんじゃね?』と考えていた辺り、やはり企んでいたのではないだろうか。
そんな裏話を知らない二人は、黙々と探し続け、
「アビーさん。見つかりました?」
「え~っと……たぶん、これかしら?」
「あぁ、それです。ここにありましたか」
そう言って、取り出したのは黒いアルバム。
ちなみに、カメラも、プリンターも、安心と信頼のダ・ヴィンチちゃん製だ。
「写真もちゃんと残ってますね。見てみましょう」
「楽しみだわ。私の知らないカルデア……一体どんな冒険をしていたのかしら!」
そう言って、二人は最初のページを捲るのだった。
あまりタイトルが関係なくなってきた今日この頃。あれ。前から関係なかったような?
しかし、ノッブがいなくなってから明かされる発明の数々。不思議ですね……本人がいるときはほとんど出なかったのに……
さて。そろそろアビーとマシュとオオガミの三人での会話がネタ切れしてきた……というか、ノッブの発明品に流れている辺りほぼ最初っから……