「なんで私まで組み込まれてるのかしらねぇ…」
「羨ましい悩みじゃ」
「ホント、よくそんな羨ましいこと言えるわね」
休憩室にて同じ机を囲む、エウリュアレ、ノッブ、エリザベートの三人。
「羨ましいって言うけど…相手はランサーなのよ?」
「まぁ、それは確かに辛いな」
「何よランサーくらい。というか、私もランサーだし」
「あれよ。あなたにとってのセイバーみたいなものよ。分かるでしょう?」
「あ~……それは確かに、辛いわね」
「ま、それでも編成されること自体が羨ましいんじゃがな」
「戦闘には参加できないけどね」
興味半分で取ってきた饅頭を食べつつ、エウリュアレは微妙な表情をする。
「そういえば、そんなにランサーが多いのか?」
「えぇ、あの特異点はランサー系の魔獣が多いから。私はほとんど役に立たないわ」
「アーチャーも少ないし、ランサーも役立たずねぇ」
「あぁ…それで珍しくデオンが出とるわけか」
「デオンねぇ…初めて会った時の印象が残ってるのよねぇ」
「最初…あぁ、そうか。エリちゃんはほとんど最初の頃を知っとるんじゃったな」
「一応私、古参よ? 冬木の途中からずっといるんだから。……今日のオレンジジュース、ちょっと酸味が強いような…?」
ドリンクサーバーから取ってきていたオレンジジュースを飲みつつ、エリザベートはそう言う。
「どれだけオレンジジュース飲んどるんじゃ…」
「アンタだってお茶の違いが分かるじゃない。同じでしょ」
「同じ……なのかのぅ…」
「正直私は美味しいなら文句はあまり言わないから気にしないけどね。そんな神経質になるようなことでもないじゃない」
「まぁ、それもそうじゃな」
「そうね。っていうか、なんでこんな話になったのよ」
「エリちゃんがオレンジジュースの酸味が強いようなって言ったせいじゃな」
「私のせい!?」
「あながち間違ってないわね」
「じゃろ?」
かりんとうをサクサクと食べつつ、ノッブはエリザベートを見る。
エウリュアレは、ノッブの食べているかりんとうが気になるようで見ているのだが、ノッブが気付く様子は無い。
「それで、エウリュアレは時間、大丈夫?」
「え?」
「時間よ時間。そろそろ溜まるから行くんじゃないの?」
「もうそんな時間か。大変じゃのぅ。エウリュアレ」
「くぅ…! 女神なのに、なんで私はこんなに働いているのよ…!!」
「仕方ない。自分の性能を恨むんじゃな」
「頑張ってね。エウリュアレ」
「もっと話していたいのだけど…行ってくるわ。また後でね」
「おぅ。また後でな」
「行ってらっしゃ~い」
エウリュアレは若干残念そうな表情をして、休憩室を出て行く。
女神さま…本当に、普通にランサー相手にも後方待機してます。
ノッブ…レギュラーというか、ノッブがいないとすでに話を展開する事が出来なくなってきたというか…むむむ。ノッブはすでにこの作品においていなくてはいけないキャラ…?