儂、保育士になった憶え無いんじゃけど(セイレム攻略中、ずっと面倒見てたしねぇ?)
「帰って来て早速なんだけどノッブ。おはじきしようぜ! アイテムを作るところからだけどね!」
「何言っとるんじゃこのマスター。ぶっ飛ばしたろか」
「フォゥ!! 殺伐としてるんだけどなんでこんな不機嫌なんだい!?」
半目でお怒りなノッブ。その後ろにはなぜかサンタジャンヌとナーサリーがくっついていた。
この状況に首をかしげるオオガミに、エウリュアレが疑問に答える。
「ノッブが想像以上に面倒見が良くて、子供たちになつかれたせいで機械いじりをあまりしてないから不機嫌みたいよ?」
「何その職人の末期症状的なの。まぁ、分からなくはないけども……」
「つか、なんでおはじきなんじゃ……」
「いや、セイレム行ってる時に、玉藻とナーサリーの二人と話しててやろうって話になってね。ノッブならアイテム一式作るのを手伝ってくれるんじゃないかと思って」
「儂の技術力の過信はどうかと思うんじゃけど……まぁ、それでも何とかしちゃうのが儂なんじゃよね。で、おはじきじゃったか。柄とかは、まぁ、凝ってみるか」
不機嫌が嘘だったかのようにやる気を出すノッブ。おそらく、ようやくモノ作りが出来るからなのだろう。きっと。
「おはじき……おはじきですか……」
「指でこう、パチン! って弾くの! 面白そうだわ!」
「実際はそんな単純じゃないんじゃけどね。まぁ、それは作り終わってからとするか。見てるだけでも面白いじゃろうし。ただ、ガラスかぁ……まぁ、何とかするかのぅ」
「何気にノッブって器用よね」
「えぇ。ただ、料理は壊滅的っぽそうですよね」
「酷い言い草なんじゃけど。まぁ、儂はあんま作らんけども」
「まぁ、ノッブの調理スキルはあんまり発揮されるところはないと思うけどね」
「まぁ、基本はエミヤの仕事じゃよね。とりあえず、儂は今から作って来るかのぅ。お主らはどうする?」
料理の話を切り上げ、作業に向かおうとするノッブは、後ろの二人に声をかける。
「私? 私はもちろんノッブについて行くわよ? サンタさんはどうするの?」
「私は……はい。私もついて行きます! 気になりますしね!!」
「そうか。ならついて来ても良いぞ。今回も工房は騒がしくなりそうじゃ」
ノッブはそう言うと、子どもたちと部屋を出て行く。
「なんか、本当になつかれてるね、ノッブ」
「えぇ。本人は若干疲れて来てるみたいだけどね。貴方がいない間ずっとサンタジャンヌが張り付いてたしね」
「そんなにかぁ……悪いことしたかな?」
「まぁ、本人もちょっと楽しそうだったし良いんじゃないの?」
「うぅん……まぁ、後でノッブと遊んでストレス発散を手伝おうかな」
「それが一番よね」
オオガミとエウリュアレはそう言うと、去って行ったノッブの事を思うのだった。
ノッブが保育士になっている不思議。私のこのノッブが面倒見良いという偏見は何処から来たのだろう……?(書いてるのに分かってないノッブの状況