「はぅ……私、最近出撃してない気がします」
「今ここにいるうちの何人が最近出たと思ってるのよ。そこに座りなさいな」
「あの……もぅ座ってるんですけど……」
「……姉様。自分の手に座るのも座る……なんですか?」
「……まぁ、リップは特殊な例よ」
エウリュアレは椅子に座るようにと促したが、自分の手に既に座っていたリップ。
メドゥーサは疑問に思うも、体型的にその方が楽なのだろう。と思い、椅子に座らせるのは諦める。
ちなみに、現在彼女たちがいるのは食堂。オオガミとノッブは、BBと一緒に工房に引きこもり、ナーサリーとサンタジャンヌがメディアの部屋を襲撃しにいった。
襲撃しにいった二人は、服を作って貰うのだ。と叫んでいた模様。
「それで、何人が最近出てるか。分かる?」
「えぇっと……種火周回組の、茶々さんと、アーラシュさんと、マーリンさん……後、絆上げの名目でメドゥーサさんとステンノさんですよね」
「えぇ。つまり、私も最近出てないわ」
「剣豪の時は大活躍だったと聞いたんですが……」
「それを言ったら貴女もハロウィンの時に活躍してたじゃない」
「そう言われると、確かに……あれっ。じゃあ、ここ最近本当に何も出来てない人っていますか……?」
「そう、ね……巌窟王とか、最近戦ってないわよね」
遠くで優雅にコーヒーを飲んでいる巌窟王を見つつ、エウリュアレが言う。
リップも釣られて見て、そう言えばそもそもオオガミと一緒にいるところをあまり見ない気がするリップ。
実際は、食事以外の時にたまに遊びに来るオオガミにコーヒーを出していたり話し相手になっていたりするのだが、知っている人物は極少数である。
「なんか今更だけど、どこまでの範囲で考えて出てないなのかを決めないとダメよね」
「そうですね……剣豪以前の人ですかね?」
「まぁ、それくらい前ならかなり使ってないわよね……ヘラクレスもいるわね」
「最終兵器だのなんだの言ってましたけど、最近はエウリュアレさんとか、エルキドゥさんの方が活躍しますよね……バーサーカーで考えると、バラキーさんとか」
「そうよねぇ……」
ヘラクレスは時々エルバサに見つかり襲撃されていたりするが、最近は部屋にいたり休憩室で子どもたちと遊んでいたりする。
「……あの、姉様。私、向こうに行っても良いでしょうか」
「どうしたのよ突然……」
「話についていけてないので、邪魔にならないように離れていた方がいいのではないかと思ったので……」
「そうかしら? 私は気にしないのだけれど」
「私も気にしませんが……たぶん、混ざれないのが嫌なんですよね。私は行っても良いと思いますよ?」
「あぁ……まぁ、話に入れないのは問題よね。良いわ、いってらっしゃい」
「ありがとうございます。しばらくしたら戻ってきますね」
「えぇ。ここからいなくなってたら休憩室にいるからね」
「分かりました」
そう言うとメドゥーサは厨房の方まで歩いていく。
今、厨房にいるのはエミヤだけのはずだが、なにか用事があるのだろうかと考えるエウリュアレ。
考えても結論は出ないと言うことに気付き、すぐに話に戻る。
「さて。じゃあ、もう少し話していきましょうか」
「そうですね。もっと話しましょう」
二人はそう言って、楽しそうに笑うのだった。
途中から何を話したかったのかが分からなくなってるような……とりあえず、リップを出したかった。
本当に最近、リップを使ってない……