今更ながら、カルデアにも休憩室の様なモノは存在する。
いつの間にか補充され、内容もたまに変わるドリンクサーバーに同じくいつの間にか補充されているお菓子。
休憩室だという事を現すソファー。なぜかある台は、ここに立って何か催し物でもする時用なのだろうか。
そして、そこに訪れるのは研究員やマスターはもちろん、サーヴァントもいる事が多い。
今日もまた、人はいるのだ。
「それで、マスターはどうですか?」
「知っての通り、今も石集めに奔走中じゃよ」
「ネロさん、召喚する気満々ですもんね…」
「全く…大変じゃな。マスターは」
「もう石も採りにくくなってますしね」
「石集めも後半戦。10連引くだけ集められるか不安じゃの」
「ですね」
マスターの必死ぶりに苦笑する二人。
話してる会話の通り、現在マスターは全力でバビロニアで戦っていた。
二人は休憩中で、マシュはAPが回復したらまた出撃である。
「難しい所じゃのう…決戦は水曜日なんじゃろ?」
「はい。次のピックアップが~って、叫んでましたから」
「大変じゃのぅ…明後日だし」
「どう考えても間に合いそうにないので、来週の水曜日を決戦とするって言ってましたけどね」
「そうやって先送りにするからダメなんじゃよ」
遠い所で謎の精神ダメージを受けたマスターがいたというが、それがオオガミなのかどうかは誰も知らず、当然の如くこの場にいる人間は知らない。
「で、石はどれくらいあるんじゃ?」
「五個ですね。全然集まってません」
「全く…我慢せずに衝動的に使うからそうなるんじゃ。この前まで12個あったのに」
「あはは……その場の勢いじゃないですか? マスターはいつもそんな感じですし」
「それでいいのかカルデア…」
やれやれ。と言ったような表情をするノッブ。そして、お菓子置き場から取ってきていた煎餅をバリバリと食べ始める。
「そういえば、儂の代わりに誰がアーチャー枠で入ってるんじゃ?」
「ほとんど敵はランサーしか出てこないんですが、エウリュアレさんが入ってますよ」
「ほぅ…? 儂ではなく、女神を連れて行っていると…」
「コスト的にもエウリュアレさんの方が低いですしね。入れやすいのでしょう」
「むぅ、世知辛い…これがコスト社会の闇か…!」
その点、マシュはコスト0という事でコスト面最強なので、常に入っていたりする。
「あ、すいません信長さん。そろそろ時間なので、私は失礼させていただきますね」
「む。そうか、もう溜まったのか…気を付けるのじゃぞ。マシュ」
「はい。行ってきますね!」
マシュはそう言って、休憩室を出ていった。
初めてマスターが一切登場しない回。こんな回もありですよね。