「子イヌ子イヌ子イヌぅぅ!!!」
「うぉぁ!? なんですかエリちゃん!」
突然背後から抱き着かれ、よろめくも耐えるオオガミ。
しかし、襲撃者であるエリザベートは大して気にした様子もなく、話を続ける。
「
「……本気ですかい」
オオガミは困惑するがエリザベートは当然と言いたそうな、それでいて会場設営はやってくれと言いたそうな目でオオガミを見る。
「……開催予定地は?」
「決めてないわ!」
「……チケット販売は?」
「するけど、飛び入りもできるようにしたいわ!」
「……配る枚数は?」
「カルデアのサーヴァントと全員――――は、無理ね。うぅん……出来れば仲間外れはしたくないんだけど……どうしようかしら……」
悶々と考え始めたエリザベート。オオガミはとりあえず今出された条件でどこを使おうか考える。
「うぅん、出来れば嫌だけど、ここは抽選ね。会場に行けないとそもそも意味がないもの」
「えっと、シミュレーションでも良い?」
「えっ、う~ん……子イヌがそうしたいなら良いわ。でも、代わりに豪華にしてちょうだいね!」
「了解。何とかしてみせるよ。それと、歌うのは誰?」
「歌うの? 当然
こっちは今から犠牲者を集う為の冒険が始まるけどね! とは言えないオオガミ。とりあえず、道連れは多く、だ。
「あ、海と山、森だと、どれが良い?」
「クリスマスなら、森が良いわよね!! というか、クリスマスで山はともかく、海はないと思うんだけど。真冬よ?」
「裏側は夏だと思うんだ。一概に海はないとは言えないんだよ……まぁ、俺も海はないと思ってたけども」
「当然。真冬じゃなかったとしても、装飾が壊れちゃう可能性があるから尚更ダメよ。潮風は髪にも悪いしね」
「なるほど。じゃあ森だね。この感じだと、夜にやるのが一番かな?」
「いいえ。昼決行よ! だって、夜にはしっかり寝ないとサンタが来ないじゃない!!」
「……あぁ、なるほど。じゃあダメだね。昼から夜にかけて、が一番かな」
「そうね。それならライブから帰ってすぐに寝れば良いからね! それ、採用よ!」
満面の笑顔で許可するエリザベート。オオガミはこくりと頷くと、
「じゃあ、それで。衣装とかは?」
「それは
「了解。じゃあ、行ってくるね」
オオガミはそう言うと、エリザベートと別れて廊下を歩いていくのだった。
ハロイベ以降、エリちゃんがより一層好きになっていたりする私です。誰かのためにならきれいな声で歌えるとか、パネェなエリちゃん……