「パールさんパールさん。このカルデアは危険極まりないんですが、大丈夫です?」
「大丈夫ですよ、マスターさん。というか、そんな危険な事が起こるんですか? ここ」
廊下で話すオオガミとパールヴァティー。彼女は昨日からいたのだが、ノッブと共に工房に籠っていたせいで話していないという事件である。
昨日一日放置してしまっていたが、このカルデア屈指の問題児たちと会っていないので、平和だったようだ。
「危険というか、人死にが出るというか……とりあえず会ったら暴れる二人は拘束してるけど、代わりに空気が張り詰めるメンバーが解き放たれているというか……ノッブ達が何かをやらかしていなければいいんだけど……」
「会った瞬間に暴れ出すってなんですかそれは……何があるんですか?」
「相性とか、色々あって……その……はい。まぁ、そのうち分かると思います」
不穏な事を言うオオガミに、一体何が来るのかと頬を引きつらせるパールヴァティー。
そして、その
「マスターーーー!!!」
「新特異点ですよ新特異点!!」
「えっ、ちょ、まっ! 拉致ですか!? 拉致なんですかぁぁぁぁぁ!?」
突然背後から突撃してきたノッブとBBに抗う暇も無く、無慈悲にも連れ去られるオオガミ。
その一部始終を見ていたパールヴァティーは、しかし。何があったのか分からないとでも言いたげな表情で、それを見送る。
* * *
「……で、何も考えないで連れ去ったと」
「当然です!」
「儂らがためらうと思うなよ? マスター」
「ドヤ顔で言う事じゃないから。というか、こっちが何しているのかくらい見てくれると助かるんだけど?」
「それは知らん」
「私たちの管轄外です」
「……この二人は……」
現状、自由組最強の問題児二人。この二人を制御できれば、後は何とかなる可能性が大いにあると思われるが、制御できるのは難易度が高過ぎるというものだ。少なくとも、オオガミには不可能に近い。
一応、何とかしてレイシフトする前に二人を止められただけでも上出来か。
「それで、マスター。今回はどうするんじゃ? 儂の出番はあるんじゃろうな!!」
「私の出番もあるんですよね!?」
「いや……今回は、ノッブはあっても、BBちゃんは無いかなぁ……」
「な、なんですって!?」
「わはははは!! 儂の勝ちじゃ!! これはいける! 儂の時代じゃあぁぁぁ!!」
ショックを受けるBBとは反対に、勝ち誇ったように笑うノッブ。
しかし、ノッブは忘れている。あくまでも可能性の話で、最悪行かない可能性もあるという事を。
そして、数分後に、新特異点攻略は開始されるのだった。
今日は主役だったはずのパールヴァティーさん。悲しいかな、私の文章力のせいで影が薄く……
あ、HFは明日見に行きますよぅ! ワクワクします!!