「マスター。今日は貴方の誕生日なのでしょう? おめでとう。これからもよろしくね?」
「ありがとう――――って……突然どうしたのエウリュアレ……何か変なモノでも食べた?」
「拾い食いなんてしないわよ。私はノッブじゃないのよ?」
「おい待て。儂ならするとか言う変な噂をでっち上げるのは止めてもらおうか! あ、おめでとうじゃ。マスター」
「えっ……ノッブならするんじゃないのかしら?」
「完全にそうだと思っていたと言わんがばかりの表情はどうかと思うんじゃが!!」
本日誕生日のオオガミ。ただ、本人は気付いていないようで、突然優しくなったようなエウリュアレに心配の声をかけ、それに対して思わずエウリュアレが軽く蹴ったのは当然の反応だろう。
その時になぜか巻き込まれたノッブは、その発言に対して突っ込みを入れる。
「誕生日、おめでとうございます、マスター。先ほどイシュタルさんが探していたようですが、もう会いました?」
「イシュタルが? な、何だろう……不安しかないんだけど……」
「なんでも、世界旅行が何とか。『急がなくちゃ日を跨いじゃう』と言ってました。急いだ方が良いのでは?」
「世界旅行……? ま、マジですか……二人で? えっ、行くの……?」
ステンノに言われ、全力で探しているイシュタルが思い浮かび、とりあえず見つかったら連れて行かれるな。と確信したため、最後にしようと決める。
「まぁ、行くときはエウリュアレも連れて行くとして、どうしようか……食堂に行ってみようか……」
「今はちょっとやめた方が良いんじゃないかしら。今すぐイシュタルの所に行って、世界旅行してくるべきよ」
「そう? じゃあ、エウリュアレも一緒に探しに行くよ」
「えっ、私も? 本気で言っているのかしら? いやよ、私は。というか、スクーターでしょ? 三人乗りで飛べるの?」
「それは――――ほら、イシュタルなら何とかしてくれるよ」
完全に他人任せだが、本当にやらせそうで怖いのがオオガミと言う人物である。
今のうちに隠れておくのが得策だと思いつつも、とりあえずイシュタルに会わせようとし――――
「いたーーーー!!! ちょっと、今までどこにいたのよ! ずっと探してたっていうのに……!! そんなことはいいわ。今すぐヘルメット被って、行くわよ世界旅行! 夕食までには戻るんだから急いで!!」
「ぐえっ! ちょ、どうしてそんな急に!? って、メドゥーサどうしてそんな――――うわぁ!?」
「誕生日おめでとうございますマスター。それと、世界旅行、行ってらっしゃいませ」
突然開かれた扉。その先にいたのはイシュタルと、なぜか抱えられていたロリメドゥーサ。そんなメドゥーサを心配しようとした直後連れ去られるオオガミ。
メドゥーサはそんな状況に驚きもせず、普通の様に挨拶をし、自然に手を振って世界旅行に送り出すメドゥーサ。ノッブの陰に隠れていたエウリュアレは連れ去られる事は無かった。
「いやぁ……中々豪快じゃのぅ、っと。とりあえず、イシュタルが時間を稼いでくれとる間に、儂らは準備をするかの」
「えぇ、そうね。あのくらいの勢いが無かったら、私もきっと今頃一緒に旅行していたのよね……」
「そうしたら、
「止めてよ
「姉さま。私も頑張りますね」
「期待してるわ。メドゥーサ」
「よろしくね。メドゥーサ」
そう言って、四人は食堂へと向かうのだった。
誕生日ボイス追加にふと気づいたのが午後の事。冷静に考えたら誕生日だった件。
帰って来た後の話は各自の脳内で!
あ、縛りクエストは何とか溶岩地帯まで終わりましたよ。今回思ったのは、ホームズパネェって事ですね。強いぜ全く。