今日のカルデア   作:大神 龍

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よくよく見ると、素材だけじゃなくてQPもないんだけど(意識してないけど、レベル上げで消費するQPもバカにならないよね)

「あぁ……ついに気付いてしまった……そろそろ訪れる、地獄の時間……!!」

「宝玉が後少しで溜まるのに、QP枯渇しそうなのよね。分かるわその気持ち……諦めて周回しましょうよ」

 

 QP枯渇によるスキル上げ停止。素材不足並みの大打撃である。

 そんなオオガミを見て慰めに行くエリザベートは、しかし次の一言で一瞬硬直する。

 

「うわぁぁぁ!! エリちゃんに慰められたぁぁ!!」

「……ちょっと!! それはどういう意味よ!! 人がせっかく優しくしたっていうのに!!」

「だって……エリちゃんがそっちサイドに行っちゃったら、誰が弄られ役――――残念担当(カルデアのドラゴン系アイドル)をやるっていうんだよ!!」

(アタシ)をなんだと思ってるの!? というか、子犬の中のアイドルって一体どんななの!?」

「えっ……ネロとエリちゃん……?」

「さっきの言葉の後だと悪意しか見えないんだけど!?」

 

 一体どういう意味で言っているのか。皆目見当がつかない一言である。

 ちなみに、エリザベートがドラゴン系アイドルならば、ネロは皇帝系アイドルだろう。というのはオオガミの談。この二人に付け足すものがあるとすれば、『デスボイス(比喩ではない)』だと、彼は後に語るのだった。

 

「悪意なんてないよ。真剣かつ全力だよ。エリちゃんはキュートでドラゴンな勇者系デスボイスアイドルでしょ?」

「ちょっと待って。デスボイスって何? デスボイスって何!?」

「えっ、何それ。言った記憶はないよ?」

「自然に! 無意識に!? 出ていたっていうの!?」

 

 なぜか驚きと悲しみの同時攻撃をくらったような表情をするエリザベート。

 しかし、ここで重要な事を思い出したオオガミは、はたしてどうしようかと考える。

 当然、急にそんな態度になったオオガミを見て、エリザベートは困惑する。

 

「ど、どうしたの? もしかして、やっぱりデスボイスって言ったのを認めて謝るの?」

「その話は置いておいて、今から何とかしないと、定期で回ってくるエウリュアレに怒られる……!!」

「ねぇ、子犬? やっぱり(アタシ)、存在薄くない? 明らかに途中から関わりたくないってオーラ出してるわよね?」

「おっとエリちゃん、それ以上はいけない。というか、本気でそう思ってるならわざわざライブ準備したりしないし、再臨素材も取らないし、種火を渡して育てようとか思わないから。ただ、それはそれとして、聖杯使ってレベル100且つスキルマ絆マしてしまった彼女に逆らえるわけないんだよ。というか、絆マしてもあんまり態度変わらないってどういうことなのさ。容赦なく殴られるようになったというか、小突かれるというか!」

「それは、まぁ……仕方ないんじゃないかしら。エウリュアレにも色々あるんだろうし。とりあえず、QP集めましょうよ。子犬に死なれたら、(アタシ)だって困るし」

「うぅ……中々にスリル満点で、うっかりしたら殺されそうな感じだよ……とりあえず周回しよう、周回。根本的に素材も溜まってないしね」

「そうね。じゃあ、レッツゴー!!」

 

 エリザベートの掛け声と共に、再び彼らは周回を始めるのだった。




 アイドルは残念担当という偏見。なお、うちのカルデア限定の模様。

 ゴルゴーン三姉妹は偶像であって、アイドルとは違うので! キュートでデンジャラスなビューティフルボイス悩殺系女神なだけですから!!

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