「ポイント。終わったのぅ」
「終わったねぇ」
「後は沖田のところの商品を買い占めるだけじゃのぅ」
「結構残ってるけどねぇ」
そもそも、ポイントを集めながら手に入れたものは微々たるものなので、そこまで集まりはしない。
つまり、これからが本番という事なのだろう。
「いやぁ、これからが本番とは、さすがに時間が無いんじゃないかのぅ」
「確かにね。あ。そういえば、ノッブの回収状況は?」
「そろそろエルキドゥが捕獲法を発見するんじゃないか?」
「ふむ。じゃあもう少し待つかな」
そう言った直後、
「主殿ぉぉぉぉ!!!!」
勢いよく開くマイルームのドア。電動式自動ドアのはずだったのだが、金色に改造されたのが原因で手動扉に変更されていたようで、スパーンッ!と気味の良い音がした。
現れたのは牛若丸。若干怒ったような表情で、目を輝かせて入ってきた。
「私が知らない間に皆が面白そうなものをやっているのですが!? やっているのですが!?」
「や~~! うしわっかストップ! 死んじゃう! その勢いは死んじゃうから!!」
ガックンガックンと揺らされて、首が折れるのではないかという勢いのマスター。
さすがにノッブも見兼ねたのか、牛若丸の手を掴み、強制的に止めさせる。
「ハッ! す、すいません主殿。ただ、一部のサーヴァントがとても面白そうなことをしていたため、気になったので…」
「う、うん…分かった。分かったよ牛若丸。とりあえず、その報告はこっちも待ってたから……」
「そ、そうなのですか?」
「そうだよ。だから、いい加減にその手を離したらどうかな」
少し棘のある声。それはある意味オオガミの想定内で、しかし想定外の状況だった。
「あ、エルキドゥ殿! あなたも関わっていたのですか?」
「うん。それで、あの人形の捕らえ方を見つけたから報告しに来たのさ」
「うん。待ってたよエルキドゥ。まぁ、こんな状態になるとは思ってなかったけど」
「こっちとしても想定外だったよ。まさかマスターが牛若丸に襲われてるとは思わないよ」
「だ、だよね…」
「それで、結果はどうだったのじゃ?」
ノッブの言葉を聞いたエルキドゥは、牛若丸から視線を変え、ノッブを見る。
「一応は体内にある八連双晶を破壊して魔力暴走させないようにすれば安全に捕まえる事が出来るかな。慣れるまでは難しいけど、慣れさえすれば簡単にできるようになるさ」
「八連双晶かぁ…もったいない気がするけど、ノッブ。出来そう?」
「そうじゃの。まぁ、出来なくはないだろうが、技術が求められるの…」
「えっと、主殿。その、あの人形の中の八連双晶とやらを砕けば良いのですか?」
「えっ? まぁ、うん。それで良いらしいよ?」
「では、私も手伝ってもよろしいですか!?」
「わ、分かった! 分かったから! 近いってば!」
触れるんじゃないかという勢いで近づいてくる牛若丸。
オオガミは急いで返事をして牛若丸から離れると、牛若丸はすぐに立ち上がり、エルキドゥの手を繋いで、
「エルキドゥ殿! 早速行きましょう! 時間が無いようですので、迅速にコツを掴まねば!」
「エルキドゥ! 頼んだよ!」
「分かったよ。他の人にも知らせておいた方が良いかな?」
「お願い。出来そうな人を重点的にね」
「うん。じゃあ、行ってくるね」
それだけ言うと、牛若丸に連れ去られるようにエルキドゥは出ていった。
「いやぁ…ドタバタだったのぅ」
「見てないで助けてくれないかな…」
「儂が出るまでもなかったし」
「確かにそうだったかもしれないけどさぁ…」
「ま。助かったんだから良いじゃろ。さて、じゃあ儂も行ってくるか。マスターはどうするのじゃ?」
「今日はもう遅いしねぇ……寝るよ。明日に支障が出たら問題だし」
「そうか。じゃあ、おやすみじゃ」
「おやすみ。また明日もよろしくね」
「任せておくがよい」
そう言って、ノッブは部屋を出ていった。
その日の夜は、ノッブ(もどき)狩り令により、様々なノッブが捕まったという。
後に、これを明治ノッブ狩りの戦いという。
あ、ノッブ狩りの話は適当に作ったので、設定については突っ込んでも突っ込まなくても大丈夫です。
こっちの方が良くね?っていうのはくださると嬉しいです。